【8】 ページ10
『誰にでもなびくのマジでやめろ』
フードの中でモゾモゾと小さなアーモンド欠片を食べるリックに言うが、小動物のリックにはその言葉は届かない。
そんな相棒の様子にはぁと溜息を吐き、増えていく人波に眉を寄せる。
『CLUBの登場でここまで騒ぐか?』
面倒くさっ、と本気で嫌そうにしつつ、前に歩き出す。
速く終わらせて帰りたい、と呟いていた時、目の前にカメラマンとキャスターが立ちふさがり更に機嫌が悪くなった。
女子アナ「すいませ〜ん、Paradox Liveについてインタビューを」
『他当たってください』
女子アナ「すぐ終わりますからー!」
『いや、急いでるんで』
何とか交わして前に進もうとするが、女子アナに遮られ進めない。
先ほど珂波汰に対して喧嘩をするなと忠告したが、早くも拳が固く握られ始めている。
『(いや、落ち着け。我慢、我慢)』
女子アナ「あの〜できればフードを取っていただきたいんですが」
『(やっぱ無理)無理、どけ』
冷静になろうとした頭だが、女子アナの甘ったるい声にすぐその余裕が消えうせ、言葉使いが乱暴になる。カメラマンの男がびくついているにも関わらず、女子アナはいまだに詰め寄る。
女子アナ「そんなことをいわずに!あ、貴方はどこのチーム推しですか?私は悪漢奴等の玲央くんが推しで〜」
『いや、どうでもいいで(濃い化粧しやがって、拳ぶつけやろうか)』
なんて恐ろしい事を考え始めた時、
?「何や、何や、別嬪のねーちゃんらがおるな〜」
背後から陽気な男の声が近づいてくる。
同時に、女子アナと周りにいた一般客の声がワッと大きくなった。
『(あぁ、本当に最悪だ)』
煩わしそうに背後を振り返ると、派手な法被を羽織る男が近づいてきていた。
【9】__悪漢奴等 SIDE→←【7】__cozmez SIDE
222人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さあ - イベントのご参加ありがとうございます!!私の嫌いな食べ物レバーなのでなんか親近感が湧きました笑これからも頑張って下さい!応援しています! (2021年6月24日 17時) (レス) id: 7aaf2735e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年6月23日 0時