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__湾岸エリア
『人多っ』
ウザッと呟きつつ、湾岸エリア近くの駐車場にバイクを止める。
溢れんばかりの一般客とマスコミの存在に顔をしかめ、ヘルメットを取りフードを深くかぶる。すると、ポケットからモゾモゾと何かが動き、毛玉が1匹、フードの隙間から入り込む。
『くすぐったいよ、リック』
リック。そう呼ばれた毛玉、灰色の毛をもつチンチラが顔を除かせる。
モゾモゾと輝の頬にすり寄るリックをくすぐったそうにしつつ、指先でなでる。
『おとなしくしているんだぞ』
先のひったくりや警官に発した声と同じだとは思えない程、やさし気な声でそう言う。
それに頷くように、撫でる指先に擦りつくリック。
そんな小さな相棒の仕草にフッと笑い、バイクのキーを外す。
深く息を吐き、あふれる人混みの方に渋々と視線を移した。
『私、絶対必要ないだろ』
そう思わない?とリックに尋ねるが、モゾモゾと手に擦りつくだけで答えてはくれない。
はぁあと深い溜息を吐き、バイクから離れる。
『行くか』
心底嫌そうな声を出し、CLUB paradxの方へ歩みを進めた。
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さあ - イベントのご参加ありがとうございます!!私の嫌いな食べ物レバーなのでなんか親近感が湧きました笑これからも頑張って下さい!応援しています! (2021年6月24日 17時) (レス) id: 7aaf2735e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年6月23日 0時