羅刹の幻影は囁く (ページ27)

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【25】＿＿アレンSIDE ページ27

・・・・・・いや、ムリだ。

１限目の西門先生のテストに頭を抱えるしかできない。

復習してなかった俺が悪い！

俺が悪いんだけど……！！

西門「全く筆が動いていない生徒に言うけど、そのテストで赤点をとれば補修が待っているからね」

柔らかい笑顔で凄ぇえげつい事を言われた。
それを聞いて、俺を含めた一部の生徒から「え」という声が上がる。

補修なんてしてたら、ラップする時間が減る！
だけど、これ全然分からねぇ。

本当に授業で習ったのか、と言いたくなるほど分からねぇ。

チラッと近くに座る夏準とアンを見る。
夏準の方はもう既に最後の方の問題を解いていて、アンも微妙な顔をしているが俺より書けている。不味い、本気でヤバイのは俺だけだ。

何とかして、今まで講義で受けてきたことを捻りだそうとする。
ふと、胸元を見下ろすと妙な違和感に気付いた。

アレン「…光ってる？」

いつも胸元に下げているファントメタルのペンダントが淡く光っている事に気付いた。
ライブの時みたいな発光じゃないけど、薄青く光ってる。

俺だけかと思って、チラッとアンや夏準を見たら、2人も気づいていて、メタルに触れている。前にいる西門先生も自分の眼鏡を触れて小首をかしげていた。

なんで、メタルが光って…ライブでもないのに。
メタル……そういえば、メタルの彫金師って言うアイツが来てたっけ…。

まさか、それが原因じゃ………。

＿「朱雀野アレン君」
アレン「………え？」

声を掛けられ、ハッと前を見ると、いつの間にか西門先生が目の前にいた。

西門「全く持って筆が進んでいないうえに、まだまだ空欄が多そうだね？そんなに楽勝かな？」

アレン「…え、いや……ス、スイマセン」

西門「テストに集中しなさい。君、本当にやばいよ」

アレン「・・・・・・はい」

周りからコソコソと聞こえる声と、近場に座る2人の冷たい視線。
それを一心に受けながら、俺は意識をメタルからテストに移した。