羅刹の幻影は囁く (ページ20)

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【18】＿＿BAE SIDE ページ20

アン「そーいえば、３限目ダルイなぁ…アガタの授業だし」

アレン「あぁ、あのITの」

アン「そうそう、やたら関わってきてウザイ…パソコンぶっ壊れないかなー」

夏準「縁起が悪いですよ、アン。凡人にいくら言われようとも、気にしなければいいんですよ」

アン「そうだけど、尋常じゃないよ、あの詰め寄り方…2人もされたでしょ？」

アレン「無視してろ、どうせ下らねぇことだし」

夏準「そうですよ、反応したら凡人の思うつぼですからね」

アン「はぁ、ドライだよね、二人は……ん？」

ふと、アンが足を止めて、下を見る。

夏準「どうしました？アン」
アン「やだ、可愛い～」
アレン「……ネズミ？」

アンがしゃがみ込み、足元にいた小さな物体を撫でている。
アレンはその小さな物体…チンチラのリックの存在に訝しげに見る。

夏準「ふむ…これはチンチラですね。かなり毛並みがよろしいですし、誰かが飼っているのでしょうか？」
アレン「だとしても大学に持ってくるか？そのネズミ」

アレンが呆れた様子で呟く。
ピクッと小さな耳が反応を示し、そのチンチラはアレンの手にガブリと噛みついて来た。

アレン「痛ぇ？！」

アン「アレンが、ネズミとか言うからでしょ」

アレン「いや、ネズミをネズミと言って何が…」

夏準「チンチラはどちらかというと、兎に分類されるんですよ」

アレン「どっちでもいいだろ」

アン「でもこの子、どこの子だろう…」

3人がそのチンチラを見て、足を止めていると…。

『リック』

3人の前方から声が聞こえた。
リックは踵を返すように、その声の主Aのところまで駆け寄る。