さんじゅういちわ 【３１話】 ページ33
恋雪side
瀬戸口さんはふるふると首をふる
「それじゃあ...」
そう言い残して昇降口から出ていく。
しばらくするとﾀｯﾀｯﾀｯとテンポの速い足音が聞こえてくる。
足音の主は僕の胸倉を掴むと叫ぶ
「お前！雛を...」
「え？」
あまりの展開に僕は驚くことしか出来ない。
彼は何か言いたそうに僕の目を見る
「っ...本気か冗談か、そんな事もわかんないのかよ。」
...えっと、彼が指しているのはさっきの会話だろう。
そして、瀬戸口さんの為にそこまで思うのは。
「よく話が見えないんだけど...。君は瀬戸口さんが好きなの？」
そうたずねると彼は僕の目から目をそらす。
これは、帰った方がいいかな？
彼を振り返ることなく校門へ歩こうとしたが、
少し歩いてからやっぱり振り返る。
「君は、後悔しないようにね」
そう、笑って言った。
僕のように後悔して欲しくなかったのだ。
彼には。
僕が先に来ていると思っていたが、Aさんは校門に寄りかかって空を見ていた。
「Aさん」
そう呼びかけると
こちらを見て小さくて強い花を思わせる笑顔を僕に向ける
「恋雪君」
「お待たせしました」
「いえいえ、全然。」
そう言うと僕達は並んで歩き出す。
会話もなく歩いていて
ふと、Aさんへ少し気になった疑問をぶつける
「Aさんは僕より遅く階段を降りましたか？」
「え？ええっと...まぁ、はい。
丁度雛ちゃんと話していた時...」
知っていたのだろうか？話の内容も。
「話してた事は大体想像つきます。
でも、雛ちゃんの姉としてはすごく複雑かも...」
そう言うと困ったように笑う。
「姉...ですか？」
なぜ姉なのだろう？
Aさんの名字は榎本で、瀬戸口さんは瀬戸口だし。
その二つはまるっきり違う。
「あ、雛ちゃんとは幼馴染みでずっと一緒にいたんです。
だから、妹みたいで...。勝手に姉気分に浸ってるんです...。」
あはは...とまた、困ったように笑う。
そんな顔を見ていたくなくて、つい
「Aさんの思いは勝手に、かも知れませんが...僕には瀬戸口さんもAさんを頼っていて本当の姉妹に見えます。」
だからそんな顔をしないでと言おうとAさんの顔を真っ直ぐに見つめると
「本当ですか...？」
少し驚いたように目を開いてから満面の笑みを見せる。
やっぱり、似ている。
榎本さんの笑い方とは瓜二つというほど似ているのだが、瀬戸口さんの笑い方ともどことなく似ている。
そんな風に現実から目を背けた
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白い悪魔(プロフ) - Lさん» はい！更新頑張ります！ (2019年3月14日 19時) (
レス) id: 87fddef293 (このIDを非表示/違反報告)
L - 最近見つけて読み始めました！自分、ゆっきー大好きなんで、ぜひぜひ幸せにしてあげてください！これからもよろしくお願いします！ (2019年3月9日 10時) (レス) id: 6264bb445c (このIDを非表示/違反報告)
白い悪魔(プロフ) - 十六夜さん» はじめまして！長文ありがとうございます！！私も恋雪君には幸せになって欲しいです...(切実)。更新頑張ります！！ (2018年6月10日 22時) (レス) id: 5c009119ee (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - はじめまして！告白予行練習の小説が好きで、その夢小説を探していたらここを見つけました！恋雪くんも幸せになってほしいって思ってます。この夢主も恋雪君にどこか似てますね。だからこそ二人には幸せになってほしいです。更新、頑張って下さい！！！！！！ (2018年6月10日 15時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
白い悪魔(プロフ) - スーナ-suunaさん» 励みになります！ありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2018年4月1日 21時) (レス) id: 3cda70d12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白い悪魔 | 作成日時：2017年4月21日 20時
