にじゅうろくわ 【２６話】 ページ28
雛side
恋雪先輩を待っているこの時間は少しいつもの時間よりも長く感じる。
まだ帰ってないよね？
って何度も靴箱を確認して恋雪先輩のローファーがあるのを見たのにまた不安になる。
封筒を持っている手が重くもないのにカタカタと震えていた
...告白って、こんなに緊張するものだったんだ
中学生の頃の私だったらきっと怖くなって逃げ出してただろう。
どのくらいそうしていたのか分からなくなるほど時間が過ぎた頃...
静寂に包まれていた昇降口に、誰かの階段を下りてくる音が聞こえた。
私はその音を聞くなりもたれかかっていた下駄箱から背を離し一歩前に出る
するといつもと同じ恋雪先輩が見えた。
「あっ！先ぱ...」
いや、少し違うところがあるのを見逃していた。
恋雪先輩の目元が赤くなっていることだ。
タイミング、最悪...
手紙をすぐさま後ろに隠す。
何があったのかはわからないけど恋雪先輩は泣いていた。
「瀬戸口さん...。どうしたんですか？こんなところで」
恋雪先輩を待ってたんです。
なんて、言おうとしたのに言えなかった、
私の口は聞き返す事しか出来なくて。
「恋雪先輩は...？」
「フラれちゃいました」
首の後ろをかきながら、恋雪先輩は苦笑混じりに言う
きっと"気の許せる後輩”だったから明かしてくれたのだろうが今はそれで喜べなかった。
言わなきゃ...
変わらないままじゃない。
変わらなきゃ。
「私は好きです」
手紙を渡す前に勝手に口が動いていた。
「えっ..と...」
困惑を含んだ声が聞こえて私はﾌｯと我に返る。
伝わらなかった...？
もしかして聞き間違いだと思っているのかもしれない。
「先輩の事、好きです。」
小さかったかもしれない。
掠れていたかもしれない。
でも恋雪先輩には届いたはずだ。
「あはは...。慰めてくれなくて大丈夫ですよ」
え、慰めるってどういう事？
振られてしまった先輩を慰める為に気を使った後輩がお世辞を言った。
そう思われたって事？
「ありがとう」
そう言われ私は何も言えずに俯いた
悔しい...。つらい。
涙で床の輪郭が歪んでその涙を押し込めるように歯を食いしばった。
それと共に手の中で手紙がぐしゃりと音をたてて潰れた
「...そういうつもりじゃ、ないです...」
それだけは勘違いして欲しくなくてつぶやくが、
恋雪先輩は私の前を通り過ぎて下駄箱からローファーを取り出す。
「瀬戸口さんも、暗くならないうちに帰ったほうがいいですよ」
返事は出来なかった。
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白い悪魔(プロフ) - Lさん» はい！更新頑張ります！ (2019年3月14日 19時) (
レス) id: 87fddef293 (このIDを非表示/違反報告)
L - 最近見つけて読み始めました！自分、ゆっきー大好きなんで、ぜひぜひ幸せにしてあげてください！これからもよろしくお願いします！ (2019年3月9日 10時) (レス) id: 6264bb445c (このIDを非表示/違反報告)
白い悪魔(プロフ) - 十六夜さん» はじめまして！長文ありがとうございます！！私も恋雪君には幸せになって欲しいです...(切実)。更新頑張ります！！ (2018年6月10日 22時) (レス) id: 5c009119ee (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - はじめまして！告白予行練習の小説が好きで、その夢小説を探していたらここを見つけました！恋雪くんも幸せになってほしいって思ってます。この夢主も恋雪君にどこか似てますね。だからこそ二人には幸せになってほしいです。更新、頑張って下さい！！！！！！ (2018年6月10日 15時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
白い悪魔(プロフ) - スーナ-suunaさん» 励みになります！ありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2018年4月1日 21時) (レス) id: 3cda70d12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白い悪魔 | 作成日時：2017年4月21日 20時
