俺達は潔癖症のお前を汚したくて仕方がない

耳が壊れないよう優しい声で ページ19

ｺﾞｼｺﾞｼｺﾞｼ


さっきよりずっと強くハンカチを

肌に擦り付けることによって


その雪のように白い肌は
赤く血に染まっていた

けれど、夏目はその手を
止めようとはしない

端から見ても痛々しい

体に激痛が走る

が、夏目はそれを全く気にしていない

夏目のそのエメラルドグリーンの

瞳は濁ってドス黒く今はなっている

光がない

もう、その感覚は痛みによって


消えているだろうに


もう、灰色のハンカチも


赤赤赤赤

ドスのきいた色になっている


早く止めなければ

彼は自分ではもう




止められない





ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ



後ろから誰かが走って来る足音がする


けれど、それも今の夏目には聞こえない



ﾀﾞﾝｯ


真田「ｯｯ!!夏目お前!!!」



真田が見たのは

腕から滲み出した血

赤に染まった灰色のハンカチ

空になって水に浮いた除菌スプレー

自分の声にも反応しない夏目




『、、、』




真田「ｯ、、」



真田は考えた

普通ならば体を揺らして正気を

取り戻させるのだが


相手は潔癖症

触ればまた気絶をし

この行為をするだろう

そしてまた誰かが正気を取り戻そうと

体を揺らす


コレではループの繰り返し

真田は夏目の耳元に口を寄せ


自分の声で耳が壊れないように
最新の注意を払い

なるべく優しい声で


真田「夏目Aいい加減にせんか

もう、汚れは落ちているソレ以上やると

俺がお前の体に触れるぞ？」






『ｯｯんｯ、、、真田さん？』




その言葉で夏目は正気を取り戻した




真田「夏目、意識があるのか？」


驚いた、当たり前だ

何でこんなところに副部長がいる？

ボクは確か腕を洗っていただけ＿＿＿




『当たり前でしょｯ痛ｯｯｯ』



ﾋﾞﾘﾘと右腕に電撃のような痛みが走る

見てみると左腕は赤く染まっていた



真田「当たり前だ自分の腕をみてみろ
血だらけだお前は俺が正気を
取り戻ささなければそのまま
皮膚まで汚れと一緒に捨てることに
なっていたぞ」


ボクは急いでしたのコンクリに

自分の血が着かないように

したに下ろしていた腕を上げた

だが


ﾄﾎﾟﾀﾎﾟﾀ


それも遅かったようで血が下に流れ落ちた


『ぅ、有難うございます
ではボクは保健室にいってきます』


ボクは早く保健室にいって

処置をしたかった
それに、自分の事で相手に手を
かけさせるのはきが引けた

だがその心配は



真田「何を一人でいこうとしている？
俺もついていく」



要らなそうだ

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