俺達は潔癖症のお前を汚したくて仕方がない

少しだけならいいと思ったんじゃ ページ13

少しだけならいいかと思ったんじゃ

少し位なら夏目ちゃんも

許してくれるはずじゃと思った


じゃが、俺の予想とは反対の


結果に今なってしまった


今になってもこれは反省しておる


夏目ちゃんは俺が触ったとたん

震え始め息が出来にくそうに



崩れていった


地面に一直線にガクッと

俺はそれを、


夏目ちゃんが苦しんでいる姿を



唖然としながら見るしかなかった



夏目ちゃんがあの言葉を言わんかったら

俺はそのまま立ったかもしれん

俺は親が医者の柳生の名前を

阿保みたいに叫んで

助けを求めたんじゃ


柳生はすぐ状況を読み取って

俺をキｯｯと睨んでおった

俺は背筋がピキピキ氷始めたような

なんていったらいいのかわからんが


これだけは言える



柳生のあんな姿


初めて見た


これだけしか俺はいえん

後はよく覚えていんじゃが

夏目ちゃんが必死に

俺の裾を握っているのが分かったんじゃ

でも、何度握っても

お前さんの小さい手は

俺の裾をスルりと通りすぎていく


さすがにこれは不味いと思ってな

俺は夏目ちゃんの

小さい手をギュと握った


この場合は仕方ないじゃろ？


お前さんもそう思わんか？


後でとやかく言われても


これは不可抗力ナリ





これだけは言わせてくれんか





俺は夏目ちゃんの側におったら


俺の知らん俺が俺を誘惑する


俺が知っとお俺は


そいつを危険だと言うんじゃ


よぉ、分からんじゃろ？

一緒じゃ


俺もようわからんナリ



ただ、その俺の知らん俺が

夏目ちゃんの事を恋愛的に好きなのは

分かった

いつか、俺もそんな風に

夏目ちゃんを恋愛的に見るときが

来るんじゃろうか？


その時は


俺はどうなるんか分からん


じゃが今度は夏目ちゃんを


こんな風にしないナリ



でもな、



いっちゃあ悪いんじゃが




あの夏目ちゃんの顔は最高だった


ゾクゾクしたんじゃよ

テニスで俺に騙された奴の顔も


良かったんじゃが

こっちの方が断然良いナリ


あぁ、触りたい


あぁ、もっともっと



まだ黒に染まりきってないその

中途半端な灰色を早く黒に

俺の色に塗りつぶしたい






夏目を汚したくて仕方がないナリ





柳生「仁王君!!!!!」







あぁ、柳生お前さんも


ドス黒く汚いゴミみたいな



この気持ちがわかったら良いんじゃがな

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