52話 ページ14
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「迎えだと？此奴から訊いたぜ。
太宰手前、Aを避けてるそうじゃねぇか。Aを避けといて他の女をホイホイと口説きやがって。そんな手前がAを迎えに来たぁ？
＿＿＿＿巫山戯んじゃねェぞ」
地面が震えた。中也の重力操作でパラパラと小石が浮かび上がる。誰もが震え上がる程の殺気が辺りを包んだ。
「君には関係ない」
太宰はそんな中也の殺気にも動じることなく淡々とそう云った。
そして、中也の後ろにいるAに目を向ける。太宰と目が合った瞬間Aはその視線から離れる様に俯く。
「A、訊いてくれ。
私は君を避けていたわけじゃない。ただ、君をこれ以上傷つけたくなかった。あのまま君の側にいたら私はきっと自分を制御することが出来ず君に酷いことをしていただろう。」
だが結局、君を傷つけてしまったみたいだね。と太宰は苦笑した。
Aは太宰のその言葉に俯いていた顔を上げ、太宰を見る。
『私は、迷惑ではないんですか？』
「当たり前じゃないか。君を迷惑なんて思った事一度もない。
＿＿＿＿＿＿私は君が好きなのだから」
太宰からの急な告白。
その言葉にAは二人から距離を取る。
中也も太宰も自分を好きだと云った。
嫌だった訳では決してない。でも、頭が混乱して、胸がどうしようもなく苦しくなった。
息が出来なくなるほどの胸の痛み、呼吸の仕方を忘れた様だった。
頭の中で警報が鳴り響く。知らない記憶が頭の中でぐちゃぐちゃに回り出しどうしようもない程の頭痛が始まる。
「今日は私と二人っきりだね、A」
「なぁ、A。
帰ったらよ、手前に云いたい事がある」
「おいで、A。」
「来いよ、A。」
記憶が駆け巡る。
断片的な記憶が浮かぶ度に頭痛が襲った。
もう苦しい。
こんなに苦しいなら、もういっそう＿＿＿＿
そう思った瞬間だった。
「クククッ。やっと見つけましたよ。
双黒の姫君よ」
背後から急に聞こえた声。
何か物凄い力で後ろへ引っ張られ
そして私は_______意識を手放した。
最後に聞こえたのは
二人が私の名を呼ぶ声だった。
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Kigiri(プロフ) - 詞の選び方一つ一つがとても好きです。新作を心待ちにしています!! (2019年5月4日 19時) (
レス) id: 9b7da1f6da (このIDを非表示/違反報告)
るーりー(プロフ) - とってもおもしろかったです!新作も楽しみにしています! (2019年5月4日 15時) (レス) id: 015d425faa (このIDを非表示/違反報告)
真緒(プロフ) - ﾝ"ーーーー面白かったです！！！！！！番外編お願いします！！！ (2019年5月4日 15時) (レス) id: 290bbc209c (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - 沢山ある文ストの夢小説から,たまたま見かけて,面白そうだったから,前作の1話から今作の49話まで全て読みました。面白いと思います。次の50話の展開が気になりますね。今後も更新を楽しみにさせていただきますね(^_^)作者さん,頑張って下さい(^_^) (2019年4月22日 7時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
Kigiri(プロフ) - ほんといつも読んでいてどきどきします!!もう穴が開くほど読み返しました!!((← 応援しています!がんばってください!!!! (2019年4月22日 3時) (レス) id: d36ce0e605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華桜 | 作成日時：2019年4月15日 23時
