今日も風が吹いている【TH】 (ページ2)

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高１の冬、交通事故で両親が死んだ。

3日間は泣き続けた。

4日目には、涙が出なくなっていた。

葬式の後、母方のじいちゃんと二人暮らしするようになった。

じいちゃんがふと思い出して泣き始めると、つられて俺も泣く、それか、俺がふと思い出して泣き始めると、つられてじいちゃんも泣く。

そんな日がしばらく続いた。

長年ひとり暮らししていたじいちゃんは、家事だってできるし、男二人でも別に不自由しなかった。もちろん俺も手伝うようになった。

学校だって少し遠くなったけど、問題なく通える距離だ。

生活がある程度落ち着くと、また学校に行くようになった。

1週間通った。

それはもう、うんざりする1週間だった。

学校へ行く頻度はどんどん下がった。

その代わりに、夜中よく出歩くようになった。

まぁそういう知り合いもできて、酒とタバコにも軽く手を出すようになった。

じいちゃんは、何も言わなかった。

幸いなのか、中学からそれまで、1度も学校を休んだことは無かったし、成績だって悪くなかったから、問題なく進級できた。

2年に上がってからは、最初の数日だけ行って、それから一切行かないまま、気付けば初夏になっていた。