・ ページ16
黙々とグミを食べる、目の前のジンくん。
多分元からこういうスピードなんだろうけど、そんな急いで食べなくても…って心配になるくらい速い。
「この部屋に来たらグミが食べ放題だってホビが言ってました」
最後の1粒を飲み込んだジンくんの言葉に白目を剥きそうになった。ホソクくん、どういう誘い出し方よ。
『えっと…じゃあ、今日はグミに釣られて?』
「はい。…あ、冗談です」
真顔でそう言い放ったかと思ったら、あひゃあひゃ笑い出した。
『…そ、そうだよね、びっくりした』
「でも半分ホントです」
『……』
「あひゃひゃ!」
……待って、また笑ってるよ。掴めん掴めん。どうしよう。
とりあえず一緒になって笑ってみたけど、背中を冷や汗が伝っていくのがわかる。
ジンくんのこういうキャラを初めて見たわけじゃない。いやむしろ、バラエティとか舞台の映像では割といつも笑わせ役って感じだった。
でも、オンとオフがはっきりしてる人だろうと読んでたし、実際そうだってソヨン達も言ってたから…
『面談来るように皆に伝えとくってホソクくんが言うから、あんま急かさないようにねって言っといたんだけど…まさかそんな伝え方だとは』
…ん?今、一瞬表情変わった?? 何だ本当にわかんない…
「やー、ジェイホビは母親ですね!子どもを歯医者に連れてこうとする母親と全く同じ手を使ってきました」
『歯医者??…あぁ、終わったらスーパーボール貰えるよって?』
「それですそれです、あと、香り付きの全然消えない消しゴム。あれに釣られて何度歯医者に行ったことか!いやー大人になっても懲りずにグミに釣られるなんて、キムソクジン…あ、もう1個いいですか?グミ」
あ、どうぞどうぞ…ってお菓子の籠を差し出す私。
…いや、ほんとペースが掴めない。何とかしないと。
『でも、ジンくんにとってのこの部屋は、子供にとっての歯医者さんなのかぁ。残念…』
「え、あ…いや」
『あ、冗談よ。でも半分ホント』
「やー!真似しないでください先生!…いや、別にホソギに言われなくてもちゃんと来るつもりでした」
『あ、そうだったの?』
やっとしっかり会話できそう…
「でも、空き時間は仮眠に使っちゃうんですよ」
『そっかぁ…疲れてるもんね』
「はい。だから来るのを避けてたわけじゃないです」
その後、当たり障りのない話で終わって帰っていったジンくん。
……いやぁこれは難しそうだよ、キムソクジン氏。
857人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さく - とても面白いです!また更新される日を待ってます。 (2022年6月5日 23時) (レス) @page44 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - いちこさん» お返事遅くなってしまってすみません。ありがとうございます!楽しんで頂けてとても嬉しいです!! 更新が不定期なのが申し訳ないのですが、これからも是非よろしくお願いします! (2020年9月22日 18時) (レス) id: 37391687e5 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - ちぃさん» お返事遅くなってしまってすみません。ありがとうございます!楽しんで頂けているみたいでとても嬉しいです!! (2020年9月22日 18時) (レス) id: 37391687e5 (このIDを非表示/違反報告)
いちこ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしています! (2020年8月16日 19時) (レス) id: 78231010c5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - とっても面白いです!これからの展開が楽しみです!応援してます^^ (2020年7月28日 15時) (レス) id: 78231010c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なみ | 作成日時:2020年5月9日 0時