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1.入社 ページ2

「お忙しい中お時間頂き恐縮です」


そう言って頭を深く下げたイさん。歳は30過ぎくらい? 連絡した時間ピッタリにスーツ姿でやってきた。


なんだかさっきまでカップ麺をすすってた私服の自分が申し訳なくなる。だって仕方ない。休憩時間が短い中での来客だし、クリニックではいつも私服だし。


その後、挨拶やら名刺交換やらの形式的なことを済ませて本題に入った。





「まず、キム先生にお声掛けさせて頂いた理由なのですが」

『あ、気になってました』


早速1つ目の疑問が解決出来そう。


「キム先生のご出身の大学から毎年弊社に何人か入社するのですが、非常に優秀で信頼できる者ばかりなんです」


クリニックのホームページには私の経歴や資格などが書いてあるからそこから見たのだろう。

『あ、私の友人にも1人いますよ』

「パク・ソヨンですよね。彼女からの推薦でお声掛けさせて頂いたんですよ」

『え!? そうなんですか!? あの子私にはなんの連絡もくれてないですけど』


「それは…申し訳ありません。何しろ芸能事務所なものですから、お話をさせて頂けるか分からない状況でパクからお伝えすることは出来なかったんだと思います」

『あぁ、なるほど』


ソヨンが就職してから何回か会っているけど、確かに社内の情報についてはいつも「あんまり話せない」って言ってた。こっちも守秘義務と共にある仕事だから慣れっ子だけど。



「そういうこともありまして、今回もできるだけ少人数の採用を目指しているんです。彼女から、個人経営で20代を主に診ていらっしゃると伝えられたのですが」


『そうですね』




イさんのお話をまとめると、つまりこういうことだ。


所属アーティストの年齢と私のクリニックのクライアントの年代が同じくらいであること、

私が個人経営だから話が広まる可能性が低いこと、

ソヨンから私がいつも守秘義務を全うしているというお墨付きがあること、

それが私に声が掛かった理由。

そして現時点でアーティスト達の精神面に特に問題がある訳ではなく、そういう事態にならないように、そしてもしそうなった時に専属のカウンセラーがいた方がいいだろうという事だそうだ。



想定される業務としては、定期的な面談、アーティスト側が希望した時のカウンセリング、メンタルケアなど。






 報酬などの待遇も何の問題もない、というより良すぎるくらいで、私は当たり前のように契約を承諾した。

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さく - とても面白いです!また更新される日を待ってます。 (2022年6月5日 23時) (レス) @page44 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - いちこさん» お返事遅くなってしまってすみません。ありがとうございます!楽しんで頂けてとても嬉しいです!! 更新が不定期なのが申し訳ないのですが、これからも是非よろしくお願いします! (2020年9月22日 18時) (レス) id: 37391687e5 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - ちぃさん» お返事遅くなってしまってすみません。ありがとうございます!楽しんで頂けているみたいでとても嬉しいです!! (2020年9月22日 18時) (レス) id: 37391687e5 (このIDを非表示/違反報告)
いちこ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしています! (2020年8月16日 19時) (レス) id: 78231010c5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - とっても面白いです!これからの展開が楽しみです!応援してます^^ (2020年7月28日 15時) (レス) id: 78231010c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なみ | 作成日時:2020年5月9日 0時

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