私は野坂悠馬の姉２【アレスの天秤】 (ページ21)

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71話ページ21

夢主side

趙「私は次の試合お休みさせてもらいます。あとの事は頼みますよ～」

『そうですか。別にいいですよ。俺には雷門なんてもともと関係ないので』

明日奈は自分でも驚くほど低い声で話していた

趙「オーホッホッホ！あなたは次の試合負けに行くつもりですか～？」

『そういうわけではないです。ただいまのあいつらが試合に出たとこで負けるのは目に見えています。そもそも俺は雷門に興味ないので。興味ないチームを手助けする必要はない』

趙「ほう、ならば仕方がないですね。彼らにはここで快く諦めてもらいましょうか」

監督はそう言ってグラウンドに行こうとした

『監督』

趙「なんですか～？」

『旅行楽しんできてくださいね(威圧)』

趙「は、はーい;;」

そう言って明日奈はグラウンドではなく別の場所に向かって行った

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〈鉄塔広場〉

『いつきてもここは綺麗だな』

明日奈が練習に出ず向かっていた場所は昔円堂がよく特訓していた鉄塔広場だった

鉄塔広場の木には円堂が使っていたタイヤが吊り上げられたままだ

その木の近くでサッカーボールを使って遊んでいると、気づけば日が沈みかけていた

そろそろ帰ろうとサッカーボールを手にとるとどこからか足音が聞こえた

『久しぶりだな守』

そしてそこに現れたのは次の対戦相手の円堂だった

円「お、明日奈か！久しぶりだな！」

昔と変わらない笑顔で明日奈に駆け寄ってくる

『やはりお前の笑顔は眩しいな』

円「ははっそうか？でもどうしたんだ？こんな時間に」

『旧雷門イレブンのキャプテンを見にきたんだ』

円「そっか！明日奈って帝国だったな」

『まあな』

円堂は明日奈の隣に座って笑っていた

円「いよいよ次は雷門との試合か～。明日奈も見にくるんだろ？」

『まあ。でも…』

円「ん？なんかあんのか？」

『次の雷門戦守るにとってはつまらないものになるかもしれないな』

円「？」

『強すぎてというわけじゃない。弱すぎて相手にならないという事だ』

円「え？」

『守には言ってなかったな。俺今雷門でコーチやってるんだ』

・・・・・・

円「えぇ！？いつからだよ！」

『だいぶ前だ。俺も彼らのことをだいぶ見てきたが熱く真っ直ぐ気持ちの良い試合をする利根川東泉にとってあいつらは準決勝の相手には不十分だ』

円堂は明日奈の話を黙って聞いている