検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:42,622 hit

. ページ6













「 直接おめでとうって言いたかったの 」

「 え〜、じゃあボタンは? 」

「 あの大群から死守できたら褒めてあげようかなーって思っただけ 」

「 じゃあ褒めてよ 」

「 え? 」
















少し食い気味にそう言うと、おもむろにポケットからボタンをひとつ取り出す。








.








「 あの大群から死守しましたよ!しかも、それ第二ボタン 」

「 は、」















どうよ!ってドヤ顔してくるのはむかつくけど、いまはそんなことより、















「 …なんで、」

「 Aちゃん欲しーかなーと思って 」

「 なにそれ、」















状況がイマイチ読み取れないわたしを他所に、「 でも要らないみたいだしなー 」って、わざとらしく笑うふっかさん。
















( 結局ぜんぶお見通しってか… )















「 …なんで、第二ボタンなの? 」

「 んー?Aちゃん、第二ボタンの意味知ってる? 」















知ってるよ、って頷けば、「 じゃあそのままの意味だよ 」なんて、ちょっと真剣な顔して言うの、ほんとに…















「 ふっかさん、ずるい… 」

「 ふは、ずるいってなによ 」









.









第二ボタンの意味は、" 1番大切な人 " 。

ふっかさんにとって、わたしはそんな存在なの?













そう聞こうとしたけど、それは何故か言葉にならなくて。














「 ちっちゃいねぇ、Aちゃん 」















耳元から大好きな声が聞こえてきて、ようやく、抱きしめられてることに気づく。















すぐ側でふっかさんの鼓動が聞こえて、気の所為…じゃないと思う。






…ちょっとだけ、早い気がする。









.








「 ふっ、かさん…、離して… 」

「 なぁんで? 」

「 なんでって… 」
















だんだんと早くなるふっかさんの鼓動に比例するように、わたしの期待もどんどん膨らんでしまうから。













なんて言えるはずもなくて、精一杯の力を込めて、ふっかさんの胸板を押す。









.










「 おれね、好きだよ。Aのこと。」

「 …っ、ちょっ、と、まって、急すぎ…っ 」














いい加減言わなきゃ、って思って、ふっかさんのことを引き剥がしたのに、わたしが口を開くよりも先に、ふっかさんの口から飛び出たその言葉。








.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
170人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫紺 | 作成日時:2022年3月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。