とある街角のパン屋さんで。 (ページ7)

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7話ページ7

朝8時。
いつものように家を出て自転車を走らせる。
住宅街を抜けると、小学校が見えてきた。

子どもたちの登校時間ということもあり
通学路には多くの人がいる。

先生たちも校門で挨拶をしてみんなを迎えている。

もしかしてと列を見たけれど
彼の姿はなかった。

居たところで声を掛けるなんてできないし、きっと見ているだけだろう。

自転車は小学校を通り過ぎて
大野ベーカリーの近くに来ていた。毎週月曜日は、ラスクを買う日と決めている私は、月曜日の朝必ず店に立ち寄っている。

お店の中は、既に商品が並んでいた。
今日のレジは珍しく潤さんが打っていて、お客さんの流れがスムーズだった。

『「名前」ちゃん、おはよ！はい、いつものラスク
出しとくよ！』

そう言うと潤さんは、ラスクの他に、サービスと言ってクリームパンをくれた。

『ありがとうございます！！今日は智さんはお休みですか？あ、もしかして寝坊とか…？』

『鋭いね～。でもハズレ。兄ちゃんは釣りに行ってるよ。刺身が食べたいとか言って。たまにパン屋なのか漁師なのかわかんなくなる。』

釣りが趣味の智さんは、仕事の傍
釣りに行っている。

その日は、潤さんとパートさんでお店はバタバタしているけど、テキパキとした2人のおかげで
お店は回っている。

『ほら、今週も頑張っておいで！』

潤さんから袋を受け取ると
カゴに入れて、学校に向かった。