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雅紀くん、に恋をしてから、あっという間に2年がたった。
1年生でも2年生でも、クラスが一緒になることはなくて。
それでも雅紀くんについて、何となく分かったことがある。
いつも笑顔で元気で
誰に対しても、平等に優しいということ。
部活は帰宅部で、だけど脚がすごく速くて
体育祭では毎年、ヒーローだということ。
可愛い幼なじみがいて
その子のことを…好きだということ。
2人で喋ってるときの、彼の表情が
すごく優しくて、愛おしい気持ちで溢れていて。
登下校も毎日一緒だし、学校でもいつも2人でいる。
もしかしたら、付き合ってるのかも。
想像したら、なんだか泣きそうになった。
だけど
そんなわたしに、奇跡が。
「…え、嘘でしょ」
高校3年の春。
「ね、名前なんていうの？」
……隣の席が、あなたなんて。
．
「え、っと…近沢Aです」
「近沢さんかあ…うん、チカちゃんだね！」
「え？」
チカちゃん、って、わたしのこと？
「あ、オレは相葉雅紀ね！」
相葉くん、っていうんだ。
下の名前を知ってから、2年経って苗字を知るなんて。なんかおかしい。
「新学期そうそういちばん前の席とか、オレらついてないよねー？」
「わ！」
って顔をのぞき込まれて、思わず声が出た。
「あ、ゴメンね？ビックリした？」
「あ、ううん！大丈夫！」
私が言うと、相葉くんはホッとしたような顔をして。
「ね、チカちゃんさ、前にシャーペン拾ってくれたよね？」
「…え…」
覚えててくれたんだ…
「…あ、ごめん覚えてないよね？ずっと前のことだも、」
「覚えてるよ！」
「え…」
だってあのとき、相葉くんを好きになったんだもん。
そう思ったら、つい声が大きくなっちゃった。
相葉くんがビックリした顔をしてる。
やばい…引かれちゃったかな
「そっか、よかった！」
「オレが一方的にしってるだけかと思ってたー」って、眩しい笑顔で。
だめだよ。
相葉くんが笑うたびに
好きだなあって気持ちが、膨らんでいく。
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作者名：＃林檎 | 作成日時：2018年10月14日 9時
