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書いて、消して、書いて、書いて、消して。
やっと打ち終わった、メッセージ。
『櫻井くん、こんばんは。
今週の土曜日の、お祭りのことなんだけど
6時に駅集合で、大丈夫ですか？』
ちょっと、硬い？
でも、絵文字を使う勇気はないし。
大丈夫だよね、間違ってないよね？
あとは、送るだけ、だけど。
送るだけ、ってのが、いちばん緊張する。
どうしよ、無視されたら。
いや、櫻井くんはそんなことする人じゃない！
でも、何LINEとか送ってきてんだよ、とか思われたら。
いや、櫻井くんはそんなこと思う人じゃない！
……よし、送るしかない！
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「…送っちゃった」
まだ私のメッセージしかない、トーク画面。
緑色の吹き出しが、なんだか寂しげで。
なんとなく、眺めてたら。
わ！既読がついた！
うわー！どうしよう、どうしよう！
タオルケットを抱きしめて、ゴロゴロ転がり回る。
怖い！緊張する！
なんの意味もないけど、とりあえず目を手で覆ってみる！
どうしよう、どうしよう！
『 ピコン♪ 』
きゃー！！！
返信がきた！
見る？見ない？どうする？
ちょっと時間を置いてみようか、
がっついてると、思われたくないもん
でも、でも、でも！
やっぱり、待てないよ！
恐る恐る、携帯に触れる。
画面を開くと、
『早坂さん、こんばんは。
集合時間、6時で了解です』
『土曜日、楽しみだね』
………好き…！
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土曜日。
とうとう、この日が。
浴衣の着付けは、ママが張り切って手伝ってくれたし。
髪も、美容院でふわふわの、キラキラにしてもらった。
仕上げに、淡い桜色のリップと、美容師さんたちの「かわいい〜！」の魔法をもらって。
ちょっと、勇気が、出た。
うん、大丈夫。
よし、駅に向かおう。
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作者名：＃林檎 | 作成日時：2017年8月8日 20時
