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「あのね、オレ達は幼なじみでー」
……え、っと、
「家が近くてー、家族ぐるみの付き合い？みたいなー」
…それは、つまり、
「2人は…好き同士じゃないってこと？」
2人が目をパチパチさせて、顔を見合わせた。
「ううん、好きだよ？」
「ちょ、雅紀、違うでしょ！」
「え、A、オレのこと嫌いなの！」
「好きだよ！いや、そうじゃなくて！」
え、漫才？
いやいや、何これ！
「それは…あの、両想い、っていうヤツ？」
今度は2人が俺の顔を見て、目をパチパチ。
「…ああ！そーいうこと！ちがうよー、オレ達友だち！親友！」
なんだ、最初からそう言ってよね！って。
いやいや、俺わるくないよね！
2人は、友だち…
あれ、何か、
モヤモヤしてた気持ちが、一気に吹っ飛んだ…！
あんなにうるせぇな、とか鬱陶しい、とか
勝手に敵意持ってたけど
何か素直だし真っ直ぐだし、
いい奴っぽいじゃん、相葉雅紀。
「ん？翔ちゃん、なにこれ？」
「見りゃわかるだろ」
「え、カツカレーくれるの？」
「…ん」
「わー！ありがとー！」
友達とは、美味いものを共有するんだ。
同じ釜の飯を食って初めて、友達になるんだ。
って、親父から教えこまれたし。
「でも翔ちゃん」
「オレ、今お腹いっぱいなんだよね」
………やっぱりコイツ、友達なんかじゃねぇ！！！
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あれから、何だかんだで
2人とよく話すようになった。
とは言っても、俺はタダでさえ口下手だし
好きな人と話すなんてハードルが高すぎて。
雅紀、翔ちゃん、って呼ぶ間にはなったけど
早坂さんと櫻井くんは、変わらなくて。
でも、雅紀のおかげで
だいぶ距離が縮まったのも、事実。
「ちょっと翔ちゃん！聞いてる？！」
うっわ！カレーうどんが飛んできた！
「汚ぇな！聞いてるよ、祭りだろ！」
「ね、行くでしょ？行くよね？」
「んー…」
何が楽しくて、男2人で祭りになんか
行かなきゃ行けねぇんだよ！
「ごめん、その日はちょっと」
「えぇー、そうなのー？」
「残念だけど、用事が」
「仕方ないね…じゃあ、Aと2人で、」
「無いんだった！！用事、無いんだった！！」
「えー？どっちよー！」
あっぶな！
早坂さん来るのかよ！あっぶな！
それならそうと先に言えよ！！
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「じゃあ、また後でLINEするね！」
「…おー」
……やっっったぁぁぁ！！！
早坂さんと！祭り！！
早坂さんの！浴衣！！
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作者名：＃林檎 | 作成日時：2017年8月8日 20時
