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どうしてこうなったの。
「オレ、先に食堂行ってるから後から来てね！」
「え、ちょっと！」
「また後でねー！」
なんで置いていくかなぁ。
雅紀、どこなの！
人が多すぎて分かんないよ！
うー…ちょっと、泣きそう。
迷子になった気分。
「A！」
あ、雅紀の声！
振り向いたら、奥の窓際の席で雅紀が手を振ってた。
急いでそこに向かう。
「A！遅いよ！」
「ごめん、人が多くて……あれ、」
うそ、どうして…
「櫻井、くん…」
＊
どうしてこうなった…？
「紹介するね！翔ちゃんです！」
「え…いや、知ってるけど、え？」
早坂さんが、混乱してる。
そりゃそうだよ、なんの接点もないもん、俺ら。
「翔ちゃん、面白いんだよ！友だちのとこに帰りたいって、オレらも友だちなのに！」
いや、だからいつ友達になったんだよ！
「ごめんね、櫻井くん、雅紀が…」
「あ、いや…大丈夫」
おい、彼女に気使わせんなよ！
しっかりしろよ、相葉雅紀！
なんで早坂さん、こんな変なのと付き合ってんだろう。
いや、早坂さんだから付き合えるのか？
「ねぇ、せっかくお友達になったことだしさ、連絡先交換しようよ！」
『え！』
早坂さんとハモった！
「え？翔ちゃん、ダメ？」
「え、いや…駄目じゃない、けど」
「Aはいいよね？」
なんで早坂さんの意見は聞かねぇんだよ！
…でも早坂さんの連絡先を知りたい。
てか彼女の連絡先を、今日初めて話した男に渡すとかどういう神経してんだよ！
…でも、口下手な俺には早坂さんとメールできるのは嬉しい…！
だめだ、突っ込むとこが多過ぎる…。
.
「はい、完了〜！いつでも連絡してね、翔ちゃん！」
「…いや、あのさ」
「うん？」
なんだこいつ。
無駄に目をキラキラさせてる。
やばい、ちょっと可愛いと思ってしまった。
いや！そっちの意味じゃないけど！
「彼女の連絡先を…初対面の男に教えていいの？」
…言っちゃった。
ここは突っ込むとこじゃないのか？
俺の考えすぎなのか？
あーそうだね、やっぱり削除してくれるー？
とか言われたらどうしよう。
せっかくのチャンスだけど。でも。
後ろめたい環境で、連絡なんか取れないし。
一応、確認しとかなきゃ、だよね？
「えっと、翔ちゃん？」
やばい、どきどき。
自分から言い出したくせに、お願い、見逃して！
って叫んでる、俺がいる。
「オレとA、付き合ってないよ？」
………はあ？
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作者名：＃林檎 | 作成日時：2017年8月8日 20時
