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「あれから、桜の王子様とは喋ってないの？」
「…うん」
「なんでよーせっかく隣の席なのに！」
櫻井くんと初めて話してから、２週間経った、
いつもの朝。
「しょうがないじゃん…緊張、するんだもん」
「そんなの、あっちも一緒でしょ！」
「でも櫻井くん、気がついたら教室からいなくなってて…」
櫻井くん、休み時間とか、昼休みとか
いつも教室からいなくなるんだもん。
「もしかしたら……彼女さん、とか…」
「……はぁぁぁ、しょうがないなぁー」
「え…」
「今日のお昼、食堂でご飯食べるよ！」
「え？なんで？」
「なんででも！可愛くしてきてね！お弁当忘れないでよ！」
「え、うん…え？」
ほら、行くよ！って
いつもみたいに手を引かれて、
学校に向かって走り出した。
*
昼休み。
俺はいつもと同じように、食堂に向かう。
1年の頃から仲のいい奴らと、昼ごはん。
初日は教室で食べれば、A…早坂さんと話せるかもしれない
なんて、淡い期待を抱いてたら
まさかの、彼氏も同じクラスで。
昼飯まで一緒に食うのかよ！
見せつけんなよ！！
アーンとかするんだろ！！！
……凹むだろ…
それから、何かというと
2人が仲良くしてるのが目について
教室にいるのが、嫌になった。
休み時間とか、昼休みとか
他のクラスに逃げたり、食堂に逃げたりしてたら
友だちも増えたし、他のクラスの女の子に告白されることもあった。
俺の青春、今からだよね？
うん、大丈夫。
楽しくなりそう、大丈夫。だけど。
…ああ、俺、また
桜が、嫌いになりそう。
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作者名：＃林檎 | 作成日時：2017年8月8日 20時
