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雅紀が私の隣に、櫻井くんが華の隣に座る。
櫻井くんも、髪がまだ濡れてて。
いつもと違う雰囲気に、胸がトクン、と鳴った。
「プール、めっちゃ気持ちよかったー！」
「いいなあ、今日プール日和だもんね〜！」
「ねえ聞いてよ！翔ちゃん、泳ぐのめっちゃ遅いんだよ！」
「おま、言うなよ！」
「翔、運動音痴だもんねえ(笑)」
「こんなイケメンなのにねー！(笑)」
櫻井くん、運動苦手なんだ！
完璧な人ってイメージだったから、なんか意外…！
驚いてたら、櫻井くんと目が合って。
表情が、なんだか急に頼りなく見えて
ちょっと笑ってしまう。
「ちょっと早坂さん、今笑ったでしょ(笑)」
「ふふ、ごめん、だって…(笑)」
「あーもう、せっかく今まで隠してきたのに…」
「いつかはバレることでしょー！(笑)」
「うっせ！(笑)」
太陽の光が、髪の水滴をキラキラ照らして
眩しくて、心臓がドキドキする。
「ねえ、相葉くん！夏休みさ、みんなで勉強会して、そのあと花火大会行かない？」
「うわあ、いいね！翔ちゃんも行くよね？」
「え…でも」
「Aも行くでしょ？」
「一応受験生だし、お母さんが許してくれるか…」
「しょうがないなあ、俺がアキコちゃんに言ったげるから！」
「アキコちゃん？」
「お母さんのこと、名前で呼ばないでって言ってるでしょ！」
「いいじゃん、別にー」
「せめて外で呼ぶのはやめて、恥ずかしいから！」
「なんでよー！アキコちゃんも喜んでるじゃーん」
「ちょっと2人とも、話が逸れてるよ(笑)」
「あ、ゴメンゴメン、Aのせいで」
「雅紀のせいでしょ！」
「はいはい、分かったから！で、どうする？」
華が、笑いながら話を元に戻した。
「A、行きたいは行きたいんでしょ？」
「…うん」
「昼間は勉強がんばるから、夜だけ許して！ってお願いすれば、アキコちゃんも許してくれるよ」
「うん…そうだね」
にこ、って雅紀が笑って、つられて私も笑顔になる。
「翔ちゃんは？行ける？」
「みんなが行くなら…」
「じゃあ、決まりね！場所は？どうする？」
「はいはーい！ウチでやろ！」
「お祭りの会場、近いし！」ってニコニコしてる、華。
「じゃ、お言葉に甘えて！」
華と、雅紀がテキパキと予定を組み立てて。
私と櫻井くんは、2人に圧倒されてる感じ。
なんとなく櫻井くんを見たら、目が合って。
困ったような、呆れてるような顔で
ふ、っと笑われて。
胸が、きゅーっと締めつけられた。
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作者名：＃林檎 | 作成日時：2017年8月8日 20時
