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「おはよ、A」
翌日。
教室に入って席に着くと、華が話しかけてきた。
「華…おはよう」
華、少し目が腫れてる…？
昨日、どうだったんだろう
上手くいったのかな…
聞きたい。でも。
怖くて、聞けない。
「…ふふ、A、心配しなくていいよ(笑)私、翔とどうにもなってないから」
…え…
「あ、でも仲直りはできた！また幼馴染に戻れたよ」
「ありがとうね、A」
華が、私を、ぎゅーって抱きしめてきた。
「華…」
すると
「ちょっとー！なに2人ともいちゃついてんのー！」
目線の先には、ケラケラ笑ってる雅紀。と、
「ほらー、翔ちゃんの目に毒でしょ！」
「…はあ？！なんで俺なんだよ！」
「翔ちゃん、ピュアなんだから〜！」
って、そっちはそっちで仲よさそうにじゃれ合っている2人。
すると。
胸が、きゅーっと掴まれたような感じがした。
2人が、見つめあっていることに対してなのか
2人が、微笑みあっていることに対してなのか
わからないけど、多分。
どっちも、なのかな。
目が合った雅紀が、口パクで「大丈夫？」って聞いてきたから、あわてて笑顔で頷いた。
…上手く、笑えていますように。
．
「ねーねー！せっかく翔ちゃんたち仲良しに戻ったんだから、みんなで昼飯たべよー！」
という雅紀の提案で、学食で集まることに。
「翔たち、まだ来てないのかなあ？」
「男子、プールだったもんね」
「あ、そっかー」
「席とっておこっか」
「うん！」
窓際の席を4席、確保する。
窓から見える青空と、青々とした桜の木々が眩しい。
きっと外では、蝉が鳴いてる。夏だなあ。
「もうすぐ夏休みだね〜」
「宿題、いっぱいでるよね〜」
「A、代わりにやって〜」
「ええ？やだ〜」
クーラーの効いた食堂で、ぼーっとしながら会話する私たち。
なんだかおかしくて、笑えてくる。
「そうだ！夏休み、みんなで集まろうよ」
「え？」
「勉強会してさ、そのあと花火大会行こ！」
「名案でしょー！」って、目をキラキラさせてる華。
「勉強も大事だけどさ、息抜きも必要じゃん？」
「そんな余裕あるかなあ、私」
「何言ってんの！Aなら大丈夫でしょ！」
「うーん」
「花はね！水をやらないと、枯れちゃうんだよ！」
「…え？」
「頑張りすぎるのも、ダメってこと！」
がんばりすぎも、ダメ…
「ゴメーン、お待たせー！」
そこに雅紀が、タオルで髪をくしゃくしゃ拭きながら走ってきた。
櫻井くんも、雅紀のあとを歩いてきて。
．
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作者名：＃林檎 | 作成日時：2017年8月8日 20時
