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「じゃあ放課後、教室に残っててね！みんなで予定立てよ！」
って言われたから、教室にいるけど。
教室の掛け時計を見上げる。
窓の外のオレンジ色の空が、どこか切なく感じる。
サッカー部の掛け声とか、遠くから聞こえるトランペットの音とか。
意外と、この時間は好きだけど。
好き、なんだけど。
…誰もいないってなに？
え、俺ハメられたの？
え、何のために？
いやいや、考えすぎだよな
でもあいつ、もしかしたら、忘れてるのかも…
気になって、探しに行こうと席を立ったら、
「翔ちゃん、遅くなってごめん！！」
雅紀が、走って教室に入ってきた。
「おい、遅せぇ…」
「ごめんなさい、櫻井くん…！」
…ドクン、と胸が鳴った。
オレンジ色に照らされた早坂さんの瞳が、キラキラしていて。
「…あ、いや、大丈夫」
やば、あの祭りの日以来、早坂さんの顔をまともに見れない。
「じゃあ、計画たてよっか！」
.
「え、帰る？」
「ごめん、用事が、入っちゃって…」
「でも」
「ほんとごめんね、予定決まったらLINEしてくれると嬉しい！じゃあね！」
「え、ちょ、チカちゃん！」
雅紀と2人で、顔を見合わせる。
どうしたんだろ、華…
昼休みと比べて、急に元気がなくなったように見えた。
「…とりあえず、翔ちゃんのとこに行こっか？」
「…うん」
*
「じゃあ、集合は駅に9:00でいい？」
雅紀がニコニコしながら言う。
「うん、俺は大丈夫」
「…私も」
…なんか、早坂さんが元気ないような気がする。
気のせいかな？
「あ、そうそう翔ちゃん、もう1人来るからね！」
「え…だれ？」
「ふっふっふー、翔ちゃんのよく知ってる人だよ〜！」
「は？(笑)」
俺のよく知ってる人？なんだそれ
「チカちゃんだよ！幼馴染なんでしょ？」
「チカ…？」
「あ…華だよ、雅紀がチカちゃんって呼んでるだけ」
「同じクラスなんだから紹介してくれてもイイでしょー！俺今日知ったんだよー？」
…え、
「それって…近沢華？」
…え、っと
「そうだよー！チカちゃ、」
「ごめん」
雅紀の顔が固まるのが、分かる。
「俺、やっぱり行けない」
「え…？ちょっと待って、翔ちゃん！」
雅紀の声を背後に感じながら
俺は教室から出た。
……なんで、あいつ…
．
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作者名：＃林檎 | 作成日時：2017年8月8日 20時
