AddictioN -yellow- (ページ38)

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自分の席に戻ったものの、なんだか少しもやもやした

人はどうしたら後ろを見ずに歩けるようになるんだろうね。

考えないようにしようと思えば思うほど考えてしまうし

何度も何度もケリをつけても、同じ気持ちに引き戻されてしまう

そんな自分が嫌で嫌でしょうがない

けど今を捨てる勇気も、何もわからない世界に飛び込む自信もない

未開拓地を覗こうともしない

結局私は弱虫のままなの

仕方ないんだよ。もう。

.

松本君に昔話をしてから2週間ほど経った日

仕事中にずっとぼーっとしていた彼

珍しくうまくいってないみたい

「松本君大丈夫？体調悪いの？」

潤「ん？なんで？」

「さっきからずっとぼーっとしてるし、ミスが増えたみたいだけど･･･」

潤「あぁ･･･平気だよ、なんでもない」

「･･･なんか悩んでるでしょ」

難しい悩み事を抱えてる彼はいつも、目を合わせてくれない

「なんかあるなら聞くよ」

潤「･･･俺がこのままこうしても何にも変わんないもんな」

「え？」

潤「今日、時間ある？」

「あるけど･･･」

潤「相談、乗ってほしい」

「わかった、いつもの居酒屋でいい？」

潤「うん、ありがとね」

.

仕事を終えて足早に約束の場所へ向かう

もう年が明けるまで残すところ1月ほど。

すっかり寒くなって、コートに顔を埋めながらお店に入ると

角の席にお目当ての姿

「ごめんね、遅くなっちゃって」

潤「ううん、お疲れ様。ビールでいい？」

「うん、ありがとう」

少しすると私の飲み物がきて二人で乾杯して。

だけど彼は、私がご飯を食べる間少し待っていてくれてるのか

なかなか本題を切り出さなかった

いつも気を利かせてくれてありがとうね

お腹が満たされてきたころ、ついに彼は本題に入った