AddictioN -yellow- (ページ20)

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「え？」

想像もしていなかった言葉を聞いて思わず目が点になる

慧人「別れてって言われると思った？」

「だって･･･」

慧人「そりゃまあ、ショックだったけど、わかってたことだし」

「だけど」

慧人「俺に申し訳ないって思う気持ちがあるんだったらさ、お詫びに別れるって選択肢消してよ。お詫びって言い方もなんか変か笑」

俯きがちに薄ら笑いする慧人

普段見せないようなその笑い方が

なんだか少し怖い

「でもね、やっぱり私このままはだめだと思うの。こんな中途半端な気持ちじゃ･･･」

慧人がなんて言ってくれたとしても申し訳ないって思っちゃうんだよ

まだ俯いているその顔を少し覗き込みながら

はっきりと伝える

「終わりに、しようよ」

ピクリとも動かない慧人

空からはいつの間にかオレンジの軌跡が消えて

黒闇が迫っていた

噴水の周りにいたはずの幸せそうな人々も半分くらいいなくなってて

静寂が訪れる

この妙な空気にどうしたらいいかわからなくて

心臓の音が早くなった

肩を大きく動かして息を吸った慧人が

今度はゆっくりとそれを吐き出した

慧人「何を言われても俺の思いは変わらないよ」

「なんで･･･？」

慧人「Aがその子を忘れられないように、俺はお前のことを忘れるなんて出来ないんだよ」

･･･え？

慧人「Aの気持ちはよくわかるよ。好きな人を忘れるのは辛い」

ちょっと待って

色んな疑問だけが頭をめぐっていく

私の気持ちがわかる･･･？

その言葉に突っかかってしまって、思考が進まない

慧人「Aはその子を手放しちゃったかもしれないけど、俺は手放さない。絶対に。」

力強い目で、はっきりと告げられる

慧人「だから別れない」

3年も隣にいてくれたのに

簡単に“その気持ちわかる”なんて言って欲しくなかった

私が苦しんでたことは

彼なりに理解してくれてるとおもってた

でもそれは私の独りよがりだったかもしれない

そう思った途端、私の中で確かに何かが崩れた