AddictioN -yellow- (ページ18)

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家についたときには服が全身に張り付いて

髪の毛からはとめどなく水が滴っていた

シャワーを浴びて濡れてしまった私物を乾かしてると

携帯に新着メッセージが届いていた

慧人【さっきはいきなり迫るようなことしてごめん。またゆっくり話そ、おやすみ】

彼の優しさに、また胸が痛くなった

私の事をいつでも気にかけてくれてたのに

私は･･･。

また涙があふれ出す

泣いても泣いても、何も浄化されるわけなくて

痛くて苦しかった

.

布団に倒れこんだまま泣いてたらいつの間にか眠りについて

窓から差し込む光がまぶしかった

重い体を起こして顔を洗う

「目腫れてるし･･･」

自分の顔をみて昨日の出来事をまた思い出したけど

さすがにもう涙は出てこなかった

リビングに行くと、震えている私の携帯

着信元は慧人だった

「･･･もしもし」

慧人『･･･よかった･･･出てくれないかと思った』

「･･･どうかしたの？」

慧人『また今度って言ったけど、やっぱり今日話したいんだ。何時からでもいいから会えないかな』

「今日･･･」

会ってもきっと罪悪感が増すだけ。

慧人『お願い。俺の事怖いなら、カフェとかで大丈夫だから』

「怖いなんてそんな･･･」

謝るのは全部私の方なのに

彼は何も、悪くないのに。

「夕方からでも平気･･･？」

慧人『大丈夫。じゃあ16時にいつもの駅で待ってる』

何を言われても仕方ない

私が甘えすぎたのが悪いんだもの

何度考えても自分が嫌になる

どうしてまだ･･･

私の中には貴方がいるの？

こんな状況なのに、すぐに思い出せる

彼の手の感触も色っぽい目も

筋の通った鼻も

どうして･･･こんなに･･･

苦しいよ

苦しくて、息がつまりそう

ここまできたら、さすがの私でも自覚はある

私はまだ貴方の事を想ってる

他に相手がいるというのに

こんなにも優しく手を差し伸べてくれているのに

私が見ているのはその手じゃない

後ろにいる貴方なの

過去にしたはずの。

気が付いてしまった以上はもう

彼の優しさに甘えるわけにはいかないんだ

いつまでも自分勝手でごめんね。