居候しています【江口拓也】

#41 ページ1

私がぽろぽろとおとした涙が拓也さんの服に落ちてシミを作る。

そのとき、そっと私のほほに拓也さんの手が添えられた。


江｢泣くな…笑え…な？｣


苦しそうに、小さな声で言われた。

こんな時ぐらい自分の心配してよ。

その言葉を飲み込んで私は涙を拭って立ち上がるとタオルをぬらして拓也さんの額にのせた。


｢笑えはしないけど…泣かない｣


とりあえずソファーまでは運べたので毛布をかけて横に座って手を握ってみる。


｢はやく、早く元気になって｣


そう呟きながら私も目を閉じた。




数時間後、ふと目が覚める。




江｢おはよ｣


視線を横に向けると少し顔色が戻った様子の拓也さんがいた。


｢大丈夫…？｣

江｢んー、ぼちぼち｣


そう苦笑いする拓也さんは大丈夫じゃないんだなって直感で感じた。


｢なんか作るね。お粥とかおうどんとか｣


立ち上がった私の手を拓也さんはグイッと引くとよせた。


江｢…そばにいて｣


…熱のせいなのだろうか。
少し弱気な拓也さんをみて、とりあえず隣にまだいることにしました。

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