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彼女の帰った席に落ちていた
ハンカチ
「忘れ物してはるやん…」
俺はポケットにハンカチをしまった
外に傘を出しっぱなしやったんを
思い出して
取りに行く
「あれ？あらへん…」
そこには、俺のとよく似た緑の傘
今、営業時間が終わって
中には誰もいてへん…
「間違えられたか…」
仕方なく、その傘をさして家に帰る
次の日、店をあけると
彼女が入ってきた
手には、緑の傘
「すみません、昨日、傘間違えて
しまって…」
「あっ、緑の…」
彼女をカウンター席に案内して
裏から、緑の傘を持ってきた
「あっ、それです。
この傘の持ち主の方に、謝らないと…」
慌てる彼女に、ちょっと笑って
「大丈夫です。俺のやから…」
「えっ、ほんと、すみません」
彼女に珈琲をだす
「この傘、気づきました？」
彼女の手を引いて、外に出る
傘を開いて並べると
俺の傘には 三日月
彼女の傘には 星が描かれていた
「同じシリーズのペアの傘みたいですね」
傘を畳んで
彼女を店の中に…
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作者名：∞やすばのなな∞
| 作成日時：2016年5月20日 8時
