たばこの香り すばる

むかつく ページ10

あたしは、ベットからでて


服をきる


「からかわれるんは、御免や」


すばるの服をひらって


投げつける


「帰ってや」


すばるが服を着て


「なに、怒ってんねん。雛はなんも

しゃべっとらんわ」


背中をむけて、珈琲をいれにいく


「お前、マジで知らんのか？


あいつ、離婚の話、すすめてるん？」


珈琲メーカーの音がする


「嘘や！そんなん、聞いてへん」


すぐそばに立って、あたしをみるすばる


あたしのとった子供っぽい行動


わからん事だらけ


あたしの瞳から


涙がこぼれる


みられたくなくて、後ろをむく


「なんでっ、なんで…」


なんで、すばるはあたしを抱きしめてるん


なんで、信ちゃんは離婚なんかするん…


「なんで、すばるは、あたしを抱いたん…」


「泣くなや…」


すばるがあたしを自分のほうにむかせる


「抱いた理由は、決まっとる」


涙を指で拭う


「こいつや、思たからや」


「信ちゃんは、なんで…」


あたしを抱きしめて


「雛の気持ちは、俺はわからん


でも、お前を手離したんは、あいつや…」


あたしを、ソファに座らせて


珈琲をカップにいれる


あたしの手に握らせて


頭を撫でる


「帰ったほうがええか？


おったほうがええんか、お前の好きなように


したる」


すばるの服をつまんで


「もうちょっとだけ、おってや」


って、視線をそらした


「しゃあないなぁ」って笑う


少しだけ飲んだ珈琲を差し出す


「カップ、一個しかないねん」


横をむいて、膝を抱えた

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