たばこの香り すばる

誕生日 ページ33

朝、４時

すばるの携帯のアラームがなる

「ん？」

あたしのおでこにキスして

「ぬっくいかっこしろ」

あたしは、コートを羽織る

すばるがあたしにマフラーを巻いた


「寒いからな、行くぞ」

すばるの車に乗る


すばるが車を走らす

山道を登って行く

真っ暗な道


すばるは車を停めると

温かい珈琲を飲み始めた


「あと15分」


「寒いからな」って、手を繋いで

外にでる

朝日が登ってきた

「前に見たことあって

お前に見したかってん」


あたしは、すばるの腕を抱きしめた

「ありがとう、すばる」

「ん、誕生日おめでとう」

ちょっと照れながら言うすばる


「なんで知ってるん？」

「前に、雛に聞いてん」

信ちゃん、知ってたな？

もう、嬉すぎるやん


あたし達は１度、家に帰って

少し仮眠をとった


昼過ぎに起きると

すばるが

お風呂場からでてくる


「目覚めたか」

あたしの手をひいて、お風呂場に

服を脱がされて

泡のたまった湯槽に


「誕生日のサービス」

笑うすばるをみて、涙がでる

あたしの頭を撫でて


「洗ったろ」

「丁重にお断りします」


あたしを後ろから抱きしめて

「来週、帰ってくるから…」

「…」

「なんかゆえや、ん？A？」

また、涙が出てきた

「お前、たまらんなるわ…」



長湯して、のぼせそうになる

「ありえへん、最悪」

「俺は満足やけどな」ニヤニヤする

冷たい水を渡される



部屋で晩御飯をたべて

すばるの買ってきたケーキを食べる


ソファでゆっくりと寛いでると

すばるがあたしの薬指に

指輪をはめた


「プレゼント」

「ありがとう」

あたしの指にキスして

「すぐに、帰ってくるから、浮気すんなよ」

「あっ、金曜、合コンやわ」

「おまっ、合コンってなんやねん！」

「なんか、数合わせ？たのまれてん」

拗ねるすばる

「信用してるんやろ？」

あたしの上がった口角

それを見て

「ドS女」

あたしは、お腹を抱えて笑った

☆→←☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す