たばこの香り すばる

事件 ページ23

あたしの趣味はライブハウスに行く事

気に入ったバンドのライブで

ヘッドバンキングして、ストレス発散

今日も、携帯をOFFにして

いそいそとライブハウスへ


最前列で楽しむ


つもりだった


あたしの目の前のステージの上


あたしを見て、ニヤニヤ笑う


色白の男


「なんで、おんねんA、久しぶりやな」

「うわっ、横や、最悪や。帰ろ」


「聴いていけや」

「いらん、冷めた」


「酒奢るから」目をうるうるさす


「しゃあないな、気いれて演りや」


酒につられた訳じゃないの


しこたま呑んだろなんて


思ってないのよ♡


横は、高校の同級生


同じ軽音部で、けっこう人気あって


男前やのに、人見知り。


「今日、Aおって良かったわ」

「まだ、人見知りなおってないん？」

「なおるん？なあ、人見知りってなおるん？」

「知らんがな、人見知りなった事ないし」


ライブ終わりに、横の奢りで酒を呑んでた


後ろから、頭に手がのる


振り返ると、鬼の形相のすばる


「お前は、携帯きって、男と酒呑んで

何しとんねん」

「にゃ〜♡」

ヤバい、これはヤバい

鳴いてみたけど

横を見て、すばるの眉間のシワが

どんどん深くなる

「横、ごちそうさま、帰るわ」


「おん、また、きてや」


笑顔で手をふる横山さん


あたしは、すばるに引っ張られるように


ライブハウスをでた

「なんで、電源きるねん」

「マナーやん。ライブ中の」


「あいつ、誰やねん」

「高校の同級生、横」


「なんで、酒呑んでんねん」

「いつも呑んでるけど…」


はぁ、って溜め息をはくすばる


「なんで、一人でこんなとこおんねん」

「趣味？ライブくんの！」



「お前は、どうする気なん？」

「帰って、寝るけど…？」


「俺のイライラはどないすんねん」

すばるの眉間のシワ

「なんで、そんなに怒ってるん」


「なんで、わからんねん」


足であたしの後ろの壁に蹴る

あたしは、何かがキレた


「口にせんな、わからんわ

あたしの楽しみまで、すばるに邪魔される

事ないしな。横はあたしのツレや！

失礼な態度とるな

あたしを信用出来んなら、これで終わりや」



すばるの手を振り払って

あたしは、歩きだした

喧嘩?→←決めた

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す