掌が背に触れた…(鳳凰の背中 外伝)最終章２

慌てる鬼神 ページ5

広間の襖が開いて
額から汗を流す村上さん

「すばるっ」

大きな声に、びくっとする
たつの長男の義紀をAが抱き寄せた

「信ちゃん」

義紀がにこって笑って名前を呼ぶ
いかに雛が普段から
こいつらを可愛がってるか…

すぐばれるな


「おう、義紀ちょっと待っとけ
このおっちゃんに用事あるからな」

「すばちゃんに？」


村上さんがふって笑って

「おう。すばちゃんにや」って







村上さんは、すばるさんの耳元で
話をしてる

「なんやて…」


すばるさんの眉間に皺がより
少し考えた後に


「あいつらなりに、考えがあるんやな…」

と呟くと


にかって笑って

「義紀、信ちゃんもおやつ欲しいんやて」


すばるさんが
あきと君を呼んで

「義紀と一緒におやつ用意したって」

と、部屋から義くんを連れていった




気配が消えると

「A…」とあたしを呼んで
小声で義くんのママの居場所を告げる


「どうしたら…」


「今はもうちょっと面倒見たってくれ」




「もちろんです。義くん達は
あたしの孫みたいなものですから

今日はこれから一緒に夕飯も作るんですよ
おままごとですけど…」


ふふっと笑って

「少しだけ安心しました」

そう言って
胸を撫で下ろした

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