そして誰もいなくなった ４

そこに映るもの4 ページ22

『…これ、錦戸が関係あるってことですか？』

「たぶんな…あ、また映像が変わった」








「ん？なんか視点が」

『…固定カメラじゃ無いですね』








「…？なんでこんな低いんだ？」

『わかりません』








ここも音声が流れないようになっていて
映像だけがパソコンから流れていく。

誰かがクルクルと回りながらどんっと床に倒れた…。







『誰だろ…？』

「…わかんねぇ」






カメラごと倒れた奴に近づいているのが分かる。



そしてまた画面が切り替わる。







『…部屋の前？』


「これ、ここの2階の部屋の前じゃね？」





画面に映るドアノブ。


黒い手袋をした手がドアノブを触って
何かを回収したのが写った。





「…針？」





それは、俺たちに見せつけるように
アップで画面に映し出された針だった。





『これ…生田の部屋にあった針ですかね？』


「ぽいな」





また画面が変わった。






今度は部屋の中じゃない、外だ。
画面が揺れていることから歩いていることが分かる。




大柄の男が薪割りをしている。
その後ろ姿が映し出され

黒い手袋が握る先にオノが映る。









『長瀬さん、、まさか…これって』


「スナッフビデオか」








『実際の殺人を流す映像の事、、ですね』







見るに堪えない映像が続く。
恐怖に怯える大倉の顔はすでに真っ赤だった。
何かを叫んでいるが
やはり音声は意図的に消されている。

でも、それが余計に狂気を煽る。







「犯人自ら手を下して、それを撮ってるって事か。悪趣味にも程かあるなこれ」


『僕、こういうの苦手なんですよ…吐きそう』







血を流して動かなくなった大倉を映して画面が暗くなった。




。

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