最後まで側にいて

微熱 ページ15

身体がだるい
吐き気が治まらない

あたしの体調は悪くなるばかり

食べ物を口に出来なくなって
仕事を休んだすばるさんに

病院に連れられた



そこで聴かされたのは
お腹の中の小さな命


すばるさんと二人

手を繋いで病院の廊下を歩く



「すばるさん…あたし…」


この小さな命を守りたかった


「A…ありがとう…ほんまにありがとう」

あたしの身体をそっと抱きしめて
すばるさんがそう言った


「俺の子供が出来るなんて…
ほんまに嬉しいねん」

すばるさんの顔を見て

「産んでええの？」

あたしの言葉に
すばるさんの顔が曇る

「産まん気やったんか？」

「違っ、やって…」

「俺の嫁はお前や…
俺が一生かけて愛すんはお前しかおらん
俺の子供産んでくれ…」

すばるさんの言葉に
幸せが身体中に
広がって…

満たされていく…


まだ、膨れてもないお腹に手を当てて
微笑む姿

すばるさんの妻はあたしなんや…
この人の子供を産むのもあたしだけ…

子供→←妻

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