時代を越えて愛を唄う

負け戦 ページ3

政略結婚と言えど
二人は仲むつまじく

すばるも一時の穏やかな日々を
過ごしていた

が、

次第に国のあちらこちらで
不穏な動きがあった

隣国との同盟が破談すると
一気にすばるの国は形成不利になる

遠方に戦に出ていた錦戸が戻ると
敵の大軍がもう
目と鼻の先に迫っていた

「殿、申し訳ありません
寝込みを襲われ…」




錦戸や丸山、安田が活躍するも
戦果は苦しくなり

もう、落城か合戦かの
決断が迫られていた

軍会議でも意見は割れる



「皆、すまん
俺は落城はせん、男として最後まで
戦う…」

Aにも、すばるは

「今なら、まだ間に合う国に帰れ
お前は生きながらえ」

Aは首を横に振る
この国を攻めてきているのが
実の兄であったとしても


「私は貴方の妻です
最後まで、共に戦います…
ですが、私の供のものは、国に帰します」

Aは大半のお付きのものを国に帰した
乳母のみが残る事に…



戦は困難を極め
城は兵糧攻めにあっていた

城の天守閣に家臣の6人が集まると

「すばる君、僕、第一線にでるわ」

「亮…」すばるが見ると

「生まれ変わったら、また、みんなで…
今度は笑って居れるとええな…」

立ち上がった錦戸
安田が

「渋やん、僕も行くわ。また、なっ」

「すばる、その後は俺と丸で…
側には大倉と横に任せたからな」

村上が笑って、すばるに言うと
横山と手を合わせ

「すばるの事、頼んだで」「おう、またな」

と称えあう

皆が天守閣を出た
どんどん攻められる城
あちらこちらで、火の手があがる

「A、お前だけでも、逃げろ」

Aは首を振って

「逃げません、最後まで側に」

「すばる、こっちや」横山が

すばるとAを天守閣の１番上に逃す


敵はもう、城の中に入ってきていた

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