黒い雨 (完結)

小さな手 ページ22

パパーって、俺の頬に当たる手
愛しくて可愛いくて

心がぎゅうって痛くなる

「莉子ー、今日楽しかったか？」

「今日、幼稚園の体験に行って
きたんです
あたしのほうがドキドキして…」

そやろうなー
ばれんように、ドキドキしたやろな…

「今度は俺も行くわ
莉子がどんな顔してるか見たいわ」

「きみ君、心配で
声かけてしまうんちゃう？」

なんて、夕飯の支度をするA

「莉子、風呂入れてくるわ」

莉子と風呂に入ったら電話するんやろ？
そりゃなぁ、約束させられてたもんな？

『帰ってから、横ちょの目盗んで』

電話してき、ってな

風呂で莉子と泡遊び

「あっ、シャンプーないわ
莉子、待っててや、取ってくるから」

腰にタオルだけまいて
リビングに行く

電話してるAの肩に手を置いた

「A、シャンプーどこ？」

慌てて、電話を切ると
棚からシャンプーを出して渡してきた

慌ててる顔が笑えてくる

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