きっと、ヌナは泣く。

19 頭が真っ白 ページ19

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あまりにも突然のことに頭が真っ白になって何も考えられない。






早くここから立ち去らないと、って思うのに身体は全く動いてくれなくて。







そうしていると、女の子がその細い腕をグクの身体に回しているのが視界に入る。









……嫌、触らないで。





その瞬間いてもたってもいられなくなって、ようやく身体が動いた。









今のなに、今、なにがあったの。









早くその場から離れたくて思わず走る。


もう人があまりいない廊下を走って、少し離れたところで壁に寄りかかってへたり込んだ。









グク、あの子とキス、してた…







さっきみた光景が頭の中から離れない。








あの子はグクとどういう関係なの？

彼女？それとも私みたいに身体の関係？







色んな疑問が頭の中でゴチャゴチャに混ざる。








でもそんなことよりも、他の人とキスをしていたというその事実があまりにもショックだった。









ぼーっとする頭で、あ、スマホどうしよう。なんて思う。





でもあの控え室にまた戻る勇気も気力ももうわたしには全く残ってなくて、今日はもうスマホは諦めることにした。









早く1人になりたくて、荷物をまとめると足早に帰宅した。







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家のベッドに寝転びながら、さっきの光景がまた頭をよぎる。









きっと私は自惚れてたんだと思う。







グクには彼女なんていなくて、こうやって身体の関係を持ってる相手も私だけだと勝手に思い込んでた。


グクが誰かのものかもしれないなんて、全く考えてもいなかった。









あー、私バカだなあ、そんなわけないのになあ…









彼と同じ芸能人も、きっとスタッフの中にも彼のことを好きだという人はたくさんいるはずなのに。








グクは誰のものでもないと、そう思っていた。









明日からグクとどうやって接したらいいんだろ。


私普通にできるかな…









そんなことを永遠と考えていたら、全く眠れなくて。









けれど明日も仕事はあるし、その後はテヒョンと会う約束もある。









ちょっとは寝なきゃ、そう思って無理矢理考えることをやめてなんとか眠りについた。









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