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14 キスの味 ページ14









「…さっきグクは、なにもしてあげられてないって言ったけど私はそうは思わないよ」







今にも泣いてしまいそうなグクがとても小さな子のように見えて、私は自然とグクを抱きしめていた。






「きっとね、グクがセンターとしてたくさんのものを背負って頑張ってる姿を見てみんな力をもらってると思う」







この1年、近くでメンバー達を見てきてそう感じることは多々あったから。









「だからね、自分を責めたりしないで。



…私もグクが辛い思いをしてると辛くなるの」








好きだから。


辛い思いなんてせずにいつも一番幸せでいてほしい。








なんて、こんなことは本人に言えないのだけど。









グクからの返事はなくて、私が一方的に抱きしめたから彼が今どんな表情をしてるのかも分からない。


だんだんと不安になってくる。








もしかしたら余計なこと言っちゃったかも…








そう思ってグクから体を離そうとすると、グクはまるでまだ離れないで、というように私の身体を自分の方に引き寄せた。








けれど一瞬離れたときに、グクの目にうっすら涙が溜まっていることに気づく。









ググって強いように見えて、実はすごい弱い部分も持ってるんだよね…




そんなところが本当に愛おしくて。








胸が締め付けられて、自然に私も涙が出た。









JK「…ヌナ、ありがとう」








私をしばらく抱きしめた後、グクはそれだけ言うと私から身体を離した。







そして泣いている私を見ても、グクは何も言わずにその綺麗な指で波を拭ってくれた。


私に触れるグクの手があまりにも優しくて、少し赤くなった大きな目から目が逸らせなくなる。







そしてグクも、そんな私から決して目を逸らそうとしなくて。









あ、これ、ダメだ、飲み込まれる。


そう思ったのとほぼ同時だったと思う。









グクの綺麗な顔がゆっくりと近づいてきて、私たちの唇は自然に重なった。







好きだからこそ拒まなきゃ、そう頭で分かっていても、あの熱い瞳に見つめられると拒むことなんてできるはずがなくて。








私の涙が混ざったキスは少ししょっぱくて、まるで私の気持ちを表しているみたいだった。








私たちはその夜、そのまま一線を超えた。









好きな人に触れられているのに切なくて、でも愛おしくてたまらなくて、私はまた泣きそうになった。









15 線引き→←13 いつも通り



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mii(プロフ) - はぁ、もうね大好き (2021年8月18日 8時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - はじめまして。とても感動しました。グク編も読みたいです^_^ (2021年2月6日 2時) (レス) id: 283143d3e0 (このIDを非表示/違反報告)
なのか(プロフ) - 夏さん» 夏さん!コメントありがとうございますうう( ; ; )遊び人として書かれがちなテテちゃんですが、私は勝手にすごく一途な人だと思っててそれを書きたかったので、そう言ってもらえると嬉しいです…!早く続きを書けるように頑張ります(*^^*) (2020年4月8日 18時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして^ ^お話とてもおもしろいです!グクペンですが一途に主人公を思うテテ好きです(*^^*)どっちとくっつくかドキドキします! (2020年4月8日 0時) (レス) id: 13b7e644bd (このIDを非表示/違反報告)
なのか(プロフ) - Kumiさん» Kumiさんコメントありがとうございます!これからどんどんテテのターンになっていくので是非楽しみにしててください!(笑)早くこちらの続きを書けるように頑張ります(*^^*) (2020年4月6日 3時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナノカ | 作成日時:2020年3月18日 22時

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