約束248個目 ページ34
「Aちゃん」
「私、Aちゃんのこと大好き」
「だからこれからずーっと一緒に居よう？」
「私にはAちゃんが必要なの」
「Aちゃんも私が必要でしょ？」
「愛してるよ、Aちゃん」
・
・
「っ！！」
がばり、と上半身を勢いよく起こす
「…………ゆめ、か」
知らぬ間に荒くなっていた呼吸を整えて軽く見渡すと、クラスの女子がぐっすりと眠っていた
スマホをたぐり寄せて時間を確認する
まだ朝の４時だ
部屋のカーテンを開けてみるも、星が光り輝いてるだけで太陽が昇る前の綺麗な朝焼けの予兆すらない
普段ならもうひと眠り再び寝るのだがそんな気分になんて成れず、部屋の隅に置いてあるカバンまでみんなを踏まないように歩く
そして水が入ったペットボトルを取り出して満足するまで飲み、軽く息を吐いた
「……まるで、呪いみたいだな」
自嘲気味に笑い、置き手紙を書いてから音をたてないように部屋から出た
−−−
「……まぶしい」
とある木の幹に座った私は、朝日を眺めていた
毎朝のランニングは欠かしてなかったけど、こうやって景色見るのは久々だ
目を閉じて深呼吸をする
頬を撫でる優しい風
柔らかく暖かい朝日
鼓膜を緩やかに振動させる葉の音
それらを感じて心を落ち着ける
響香ちゃん
百ちゃん
焦凍くん
飯田くん
三奈ちゃん
透ちゃん
お茶子ちゃん
梅雨ちゃん
切島くん
上鳴くん
峰田くん
尾白くん
青山くん
砂糖くん
障子くん
瀬呂くん
口田くん
常闇くん
−−いっくん、つきくん
みんなに信頼されてる自信はある
もう散々周りに迷惑かけたんだ、これ以上かけるな
私は独りじゃない、だから笑え
みんなを勇気づけるのが、迷惑を被るのがヒーローだ
だから悩むな、悟らせるな
ヒーローになるんだ、
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作者名：シオリ | 作成日時：2016年8月2日 21時
