* ページ23
そこにいたのは涼介じゃなかった。
痛々しく巻かれた包帯と、身動きすらしない体。
美しい顔はそのままだったけど、
いつも私に向けてくれた愛らしい笑顔は
見ることができない。
知念「涼介は、いわゆる脳死状態。
これから先、目を覚ますことは…」
最後まで言えない、
そんな風に彼は首を振ってうなだれた。
みゆ「涼介。涼介の赤ちゃんだよ。
涼介が目覚まさなかったらこの子になんて言ったらいいの…?」
我が子の小さな手を取って、
涼介の頬まで持っていく。
柔らかな頬の感触に、彼が生きていることを実感した。
知念「みゆちゃん。
こんな時に言うのは酷だと思うけれど…」
知念先生が、言いづらそうに切り出した。
知念「涼介、臓器提供の意思表示をしているんだ。
みゆちゃんが許可を出せば、涼介は脳死判定によって、臓器提供ができる。
みゆちゃんはどうしたい…?」
言葉が出なかった。
涼介の意思を尊重してあげたいけれど、
それはまだ生きてる涼介を死なせてしまうことになる。
涼介。
光くんや、光くんのご両親のことで
残される側の辛さがわかるって言っていたよね。
涼介のこと、死なせるなんてできないよ…。
69人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちねめろぴ-すけ(○ ・ ω ・)(プロフ) - ららさん» ありがとうございます!いちを「慧が光で光が慧で」と調べて頂くと出てきます!←図々しい (2016年9月3日 21時) (レス) id: 241c5d99f5 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - ちねめろぴ-すけ(○ ・ ω ・)さん» おおー!おめでとうございます!作品更新されたら遊びに行きますね! (2016年9月3日 20時) (レス) id: 9622d14e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちねめろぴ-すけ(○ ・ ω ・)(プロフ) - こんにちは!おじゃんぷぅの分身です!笑← こちらの方から作品を書かせて頂いております!私はららさんのような人の心を動かす素晴らしい作品は書けないと悟ったのでいのひかが入れ替わるお話しを書いてます笑 (2016年9月2日 23時) (レス) id: 241c5d99f5 (このIDを非表示/違反報告)
おじゃんぷぅ - ありがとうございます!ららさんのおかげで占ツクデビュー出来ました! (2016年9月1日 18時) (レス) id: ee2c45fbd9 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - おじゃんぷぅさん» 大丈夫だとおもいますよ!私はスマホとパソコンとどっちも使ってます^ ^ (2016年8月31日 18時) (レス) id: 9622d14e47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らら | 作成日時:2016年7月31日 14時