不公平 -LUHAN- ページ44
LU「はぁ…はぁ…。」
壁側にある椅子に座り込む。
目の前には、無機質な金属製のドア。
その上には、『手術中』と書かれたランプが光っている。
そう言えば、携帯しか持ってこなかったな…。
『手術中』と書かれたランプを見ながら、祈った。
初めて。人のために。心から。
ドアが開く気配がして、下に向けていた顔をぱっと上げる。
出てきたのは、手術中を抜けてきたと思われるドクター。
中年の男性。
「凛さん…じゃなくて、Aさんのお知り合いですか？」
LU「はい。」
「彼氏さん…ですかね？」
LU「あ…いえ。違います。友達です。」
「彼氏さんはどこに？」
LU「上に話を付けに行きました。」
そう言うと、すべて納得したように小さく頷いた。
「私はAさんの担当医です。
韓国で医療を受ける事になったら、すべて私が担当しています。」
LU「状態は？」
「詳しくは彼氏さんに説明したほうが良いのかもしれませんが…一応お伝えしておきます。」
躊躇ってから、言いにくそうに口を開いた。
「状態は…はっきり申し上げて、良くないです。」
どこかで覚悟はしていたけど。だけど…。
「Aさんは血友病との事ですので、出血がなかなか止まりません。
輸血はしているのですが、なんとか持っている状態です。
頭蓋骨の中にも血が溜まってしまっています。
最善は尽くします。
ですが…覚悟はしておいて下さい。後遺症についても保証は出来ません。」
そう言うと、頭を下げて手術に戻ってしまった。
…ねぇ…なんで？なんでよ？
Aちゃんが、一体何をしたって言うの？
凛として活動して、Aとして会社の経営の第一線で働いて…。
それに対するものが、これだって言うの？
何かを与えられるべきじゃないの？まだ何かを差し出さないといけないの？
自分の命を…？
不公平だよ。
Aちゃんは人より多くの物を与えられたかもしれないけど、
それと引き換えに、今まで多くの物を犠牲にしてきたでしょ…？
椅子に崩れるように座り込んで、頭を抱え込む。
…レイに、なんて言えばいいの…？
こんなに残酷なことを…どうやって伝えればいいの…？
突き飛ばした男性を、逆に突き飛ばしてやりたい。
…今は、Aちゃんの無事を祈るのが一番。
…ねぇ、Aちゃん？
レイの為にも、皆の為にも…死ぬなんて、絶対許さないから。
まさかこの後、レイをさらに苦しめる事が起こるなんて、誰も予想しなかったはず。
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ma-mare-do(プロフ) - chiiiさん» コメありがとうございます！更新頑張ります♪…突然ですが、私もchiiiさんの作品読ませていただいてます！chiiiさんも更新がんばってください♪ (2013年2月26日 22時) (
レス) id: c954043daa (このIDを非表示/違反報告)
chiii(プロフ) - 毎日更新楽しみにしてます^^！続き気になる〜TT更新がんばってください♪ (2013年2月26日 22時) (レス) id: 5023b1dd2e (このIDを非表示/違反報告)
ma-mare-do(プロフ) - うぎょんさん» マネの言う事もあながち間違ってはいないんですけどね…。 (2013年2月26日 21時) (レス) id: c954043daa (このIDを非表示/違反報告)
ma-mare-do(プロフ) - 亜夜さん» コメありがとうございます！更新頑張りますね♪ (2013年2月26日 21時) (レス) id: c954043daa (このIDを非表示/違反報告)
亜夜 - マネオッパT^T 病院に行かせてあげて！！ 毎日の楽しみです！更新ガンバって下さい(*^_^*) (2013年2月26日 17時) (レス) id: f0eb31b4e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ma-mare-do | 作成日時：2013年1月21日 21時
