【完結】[ﾂｲｽﾃ]人魚姫は魔女に恋焦がれⅡ-Azul- (ページ24)

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姉3｢A、私たちの可愛いA…よく考えて。
君が心優しいのは知っている。差別を嫌っているのも
しかし、一概に彼を白と言えるのかい？
完全な黒では無いのかもしれない。しかし
私達とは相反する存在という事実
彼の今までの行動から塗り替える程彼は
誠実と言えるのだろうか…私達はそれが心配なんだよ｣

そういう3番目の姉様は
掴んだ手をゆっくり離した
姉様の言うことは理解出来る

『……確かに彼は狡猾だわ
多くの人を傷つけてきたかもしれない』

フィリップ｢ほら！やはりそうだ！
海の魔女は汚らわしい斬り捨てるべき存在｢黙れ！｣っ…｣

『…姉様？』

姉3｢続けて、A…｣

『……けど。』

姉3｢うん。｣

『けれど、とても努力家よ。
身内だけかもしれないけれど
優しい面も沢山持ってる。
そして愛情深い人だわ…私、今とても幸せよ姉様』

姉3｢……｣

『私はヒーローもヴィランも無いと思ってる
だって歴史上の末の姫様だって王様の言いつけを守らず
身勝手にしたからこそ王子様と出会えた…
結果があったから美談になったけれど
結果が伴わなければ愚かな姫君として後世まで
語り継がれたはずだわ』

姉3｢そうだね…Aは、本当に聡い子だ
私もね最近思う事が沢山ある
学を身につければ身につけた分だけね｣

そう頭を撫でられる
姉様方の瞳はどこか優しい

姉4｢癪に障るけど、Aの言葉に嘘偽り無いのは
私たち分かってる…｣

姉3｢あぁ、だからって彼を好む事が
できるわけではないけど、Aの選んだ道なら
私達は応援しようって決めたんだ｣

『え？』

姉1｢本当は食事をしながらそれを
伝えたかったのだけれど…
何処かの馬鹿が邪魔に入ったから｣

フィリップ｢なっ!?｣

『姉様方…』

姉2｢えぇ、だからAもう姫じゃないなんて…
私達とは家族じゃないなんて悲しい事…
言わないでくださいな｣

『……っ…ごめんなさい、姉様方』

嬉しさからか涙が流れた
そっと囲うように姉様方に抱きしめられる
誰もが穏やかに終わるそう思った
この男以外

フィリップ｢っっ……どいつもこいつも僕を愚弄して
恥を知れ！元を辿ればお前がっ!!｣

姉様方が引き剥がされ
目の前に手を振りあげた王子の姿
殴られると咄嗟に目を瞑った

ﾊﾟｼﾝｯ

乾いた音はすれど痛みは無い
ゆっくり目を開けると
見慣れた大好きな背中が視界に拡がっていた

アズール｢仮にも一国の姫に手を上げるなんて
随分教育が行き届いていらっしゃるようですね
フィリップ王子｣