新たなる王の物語の始まり part2

第六十話 ページ13

ア「スザク、、、今日はもう帰った方がいい。
　 いろいろ、、、これからのこと、ゆっくり考えた方がいい。」

あ「アンナ、、、。」

草「そやな。もう５時やし、、、。今日はもう帰るのがいいかもな。」

あ「は、、はあ。じゃあ、その、、、帰らせていただきます。
　 あ、そういえば私の荷物は、、、。」

　どこにも見当たらなかったので、聞いてみた。

すると、草薙さんはしまったという顔をした。

草「あ、、、、忘れとった。セプター４にあるわ。
　 しゃあないな、、、コッチから連絡しとくから、明日にでも取っていってもらえるか？」

あ「あ、、、すみません、、。ありがとうございます。」
　
　私は草薙さんにお礼を言って、椅子から立ち上がった。

　すると、アンナが慌てたように言った。

ア「スザク、、明日も来てくれる？」

あ「あ、うん、、荷物取りに行ったあとでなら来れると思うけど、、。
　 明日もきていいの？」

　アンナはコクコクと頭を前後に振った。

　私は、少し笑ってしまった。

　何故だかはわからないけど、一生懸命さが伝わってきたからだ。

　それから、草薙さんにお礼を言ってからバーの表玄関のドアノブに手をかけた。

　私は、店を出る前に八田さんを含めた人達に頭を下げた。

　カラン カラン 、、、

　外に出ると、空は綺麗な赤色に染まっていた。

　夜になっていく寒さを感じながら、私は自分の家へと足を速めた。



　〜草薙said〜

　朱雀が帰った後、バーではすぐにざわめきが起こった。

　まあ、だいたいはあの子が本当に赤の王なのか？、、、ということだ。

　俺自身、お客さんと話すような軽い感じで話してしまった。

　本当は、赤の王になってどうするつもりなのか、どう考えているのかなど話したかった。

　俺はアンナの方を見た。

草「アンナ、、、あの朱雀って奴のこと、、、気になってるんか？」

ア「、、、スザクは、ミコトとは違う。私は、ミコトを守れなかった、、、。
　 今度は、私がスザクのことを見守ってあげるの。」

草「、、アンナ、お前、、、、、。」

ア「それに、、、、。」
　
　アンナは、窓から見える赤色の夕空を眺めた。

ア「スザクは、、、、、どこか”私達”と違う。」

草「、、、、違うのか？」

　アンナはゆっくりとうなずいた。

　その瞳には、明るい夕空が暗く映っていた。

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