第二十九話 ページ32
Aちゃんは俺の方に顔を向けた。
あ「ありがとうございます。こんな話を聞いてくれて、、、。
実は、さっき十束さんが言ったとおり私、本当に壊れる寸前だったりしたんですよね。
なんででしょうか、、、十束さんに話すのが初めてなんですよ?
不思議ですね、、、、、。」
十「聞くのが俺で良かったのかな?
、、、まあ、そこらへんはわからないけど、、、、、、、。
ねえ、きみはさ、、、今何をしているの?」
あ「、、、小説家をしています。」
十「小説??」
あ「はい。
、、、私の皆と過ごした、幸せな時間を忘れないようにって、、、。
それと、こんなに愉快な人達が生きていたんだよって、、、世界中に知ってもらうために。」
十「、、、素敵だね。」
あ「クス、、、そうですかねえ?
でも、それが今の私の<生きる理由>ですから。
今だから言えることなんですけど、、、
皆がいなくなっちゃってからの一週間ぐらいは、どうやったら死ねるんだろうって、、、、
ずっと考えてたんです。
でも、、、怖くて。
死ぬことが怖いんじゃなくて、、、、、何もしないまま死ぬのが怖かったんです。
だから、何かできることはないだろうかって思って。
それが、小説を書くことだったんです。」
十「、、、、、、強いんだね、君は。」
驚いたのだろうか、、、Aちゃんは、その赤い瞳を一瞬泳がせた。
あ「、、、ありがとうございます。」
その顔には、穏やかな笑みが浮かんでいた。
あ「、、、本当にありがとうございます。こんな話を聞いて下さって、、、なんだか、楽になれました!」
十「それは良かった。」
俺は、Aちゃんが元気になったので安心した。
あ「あの、、、、すみません。変なことかもしれませんけど、、、聞きたいことがあるんです。」
十「ん?何??いいよ?」
Aちゃんはためらいがちに俺を見た。
そして、俺にこんなことを質問した。
あ「、、、十束さんは今、幸せですか?」
俺は思わず目を見開いてしまった。
けれど、それは彼女にとって本当に聞きたいことなのだろう。
こんなことを言ってしまってもいいのだろうかと思ったが、相手は今さっき俺に勇気を出して話してくれたのだと考えると、本当のことを言うべきだと思えた。
十「Aちゃん、俺はね、、、。」
94人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミリア - すごく面白くっ大好きな作品でした。これからも頑張ってくださいね。 (2017年6月27日 19時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
フロウリア(プロフ) - ありがとうございます!!こんな駄作ですけど、、、!これからも頑張っていくのでよろしく御願いします! (2013年11月29日 4時) (レス) id: f6e1333f68 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 頑張ってください! 応援してます!! (2013年11月28日 20時) (レス) id: b08a18f86b (このIDを非表示/違反報告)
フロウリア(プロフ) - ありがとうございます!!テストがあり、最近は更新できないのですが、、、これからも頑張っていくのでよろしく御願いします! (2013年11月27日 20時) (レス) id: f6e1333f68 (このIDを非表示/違反報告)
伊沙羅 - 凄く面白いです!!続き期待しています!! (2013年11月27日 19時) (レス) id: 0cf4c88543 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2013年10月26日 13時