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めんどくさくなったらしい彼は、私を後ろから抱き寄せた。私も彼に体を預ける。
「頭乾かしたくない〜」
「しょうがないから乾かしてあげる」
「やった、途中で寝そうだけど」
「うわAやりそう」
「その時はごめん」
さりげなく触れる手は放っておこうと思ったけど、だんだん位置が際どくなってきたのでその手をつかむ。
「……今日は途中で絶対寝ます」
「知ってる、途中で寝られた後にひとりでするの虚しすぎるからしません」
「……なんかすみません」
「てことで先に出るわ、これ以上は生き地獄なんで」
水がざっと溢れて、私は慌てて顔を背ける。恥ずかしがりすぎだろ、と爆笑しているジョングクにはやく!と叫んだ。
「はいはい、分かりましたよ〜」
ドアを閉める音がして、私はやっと前を向く。扉の外からはまた鼻歌が聞こえて来た。今日はバイトなかったから機嫌いいのか、と考えながらお湯から出る。
ひとりになると疲れがどっと押し寄せてくる気がして、早く済ませてしまおうとシャンプーを手に取った。
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「あ、上がった?」
「うん〜」
頭を拭きながらリビングに戻ると、もうジョングクはドライヤーのコードを繋げて、スマホをいじっていた。足の間に座ると、ドライヤーの風がかかる。
「髪伸びた」
「ロング好きかなって」
「なんでも好き」
「……うん」
不意に吐き出される甘い言葉の数々に毎回照れる。
「やっぱりうまいな……」
「え?」
「なんでもない〜」
美容系の学校でもないのになぜか髪の乾かし方がうまいジョングクがいつも不思議だが、余計なことを考えてしまうと悲しくなるのでやめた。
「眠い」
「もう終わるから我慢して」
あくびがとまらない。風の暖かさも相まって眠たさが増してくる。
「終わった、ちょっと寝ないで」
「うわ〜意識飛んでた」
「首かくかくしすぎ」
ドライヤーを片付けて、もう寝室に向かおうとしているジョングクを追いかけるように慌てて立ち上がる。
「あ〜やばい、歩きながら寝れる」
「ベッドで寝ろ」
寝室に入るやいなやベッドに飛び込んだ。後ろから笑う声が聞こえる。
「ベッド〜会いたかった!」
スマホを置いて隣に寝転んできたジョングクの顔を見つめる。
「なんですか」
「顔きれいだね〜」
「今更すぎ。ほら、布団着て寝て」
言われた通りにして、布団も着て、寝落ち寸前の時。優しくキスを落とされる。
「おやすみ」
その言葉が聞こえたのを最後に、私はそのまま夢の世界に落ちた。
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j - くるんさん» ありがとうございます、とても嬉しいです!出来るだけ更新していきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします^^ (2020年6月14日 22時) (レス) id: 61dc5400f5 (このIDを非表示/違反報告)
くるん(プロフ) - グクに甘やかされるお話 大好物なのですっっっごく嬉しいです!!!(めっちゃタイプなお話です////)これから更新 楽しみにしてます!頑張ってください♪ (2020年6月14日 8時) (レス) id: 3a0b839ac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:j | 作成日時:2020年6月14日 0時