声 ページ33
広臣side
広臣「え？飲み会？」
「そうなんですよ〜。なんでも、バレー部が大会で優勝したらしくって。7年ぶりなんですよ。」
広臣「…それで、全職員で打ち上げってワケっすか…」
「まあ、上が盛り上がっちゃってますんでね。」
職員室の奥を覗くと、
祝優勝って書かれた横断幕を堂々と掲げて
随分とご機嫌な校長副校長。
…あの様子だと、飲み会も納得だな。
文武両道をウリにしてる学校だから
やっと成果が出て満足なんだろ。
広臣「すみません、娘いるんで。」
毎回これで乗り切ってきたけど、
あからさまに嫌な顔する先生。
「…登坂先生、たまには来ていただかないと…幹事としてもちょっと…」
……なんも言い返せねえ。
確かにそうなんだよね。
俺一回も参加したことないから、付き合い悪いやつって思われてんだ。
まあべつにそれでもいいんだけど、やっぱ社会人としてそんなこと許されないってのも分かる。
「お願いしますよ、途中で抜けていただいても構わないので！」
気弱そうな新任教師。
はあ、仕方ないか…
遅くなるって、保育園に電話しねえと。
あの無愛想な事務の人が出てくれるはず。
コール音、3回響いて
．
．
A『はいっ、さくら保育園です！』
耳に届いたの、Aちゃんの声だった。
騒がしい職員室の中で
ひとり、思考がストップする。
"はいっ、さくら保育園です！"
Aちゃんの声を初めて聞いたときも、
その言葉だった。
こっちまで元気になれる声だなって
すげー心があったかくなったの覚えてる。
そのあとはもう、なにも考えられなくて。
Aちゃんの言葉になんて返事したのかも分からないまま電話を切って、
何かに突き動かされるように職員室を飛び出した。
登坂先生って叫ぶさっきの新任教師の声が、耳に響く。
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サチ子(プロフ) - また読み返しに来てしまいました！！(Ｔ＿Ｔ）ほんとに胸が苦しいです！！ (2020年3月21日 23時) (
レス) id: fb6b5ddadd (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - 胸がギューって！泣きました｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡きなこさんの書かれる作品が全部大好きです！！ (2019年6月11日 1時) (レス) id: 44dc35a9cd (このIDを非表示/違反報告)
てんてん(プロフ) - やーーーもう大好きいいいい (2018年9月11日 0時) (レス) id: 0b218eaa27 (このIDを非表示/違反報告)
うたは(プロフ) - みゆちゃんがママっていう瞬間が見たいです（；＿；） (2018年7月16日 1時) (レス) id: 45f0dce7ca (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - 探し回って結局たどり着くのはここでした、☆*:.｡. o(≧▽≦)o .｡.:*☆ありがとうございます！ (2018年7月15日 2時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2015年10月1日 22時
