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Aside






広臣「……あのさ、」







押し倒した、そのままの体制で口を開く登坂さん。








.









広臣「………俺のに、していい?」








Aちゃんのこと









そう付け足されたその言葉の意味を



理解したと同時に、顔が熱くなるの分かる。









もちろん、登坂さんのことは大好き。



キスだって嬉しい。








……でも、









広臣「……傷、見られんの嫌?」









優しくそう問いかける。




ちっちゃく頷くと、そっかって呟いて








広臣「けど俺、Aちゃんの全部が欲しい。……傷があるからどうとか、そんなの俺、思わねえし。」









確かに登坂さんは、私の傷も受け止めてくれてる。




目の痣だって、ちょっと良くなったら一緒に喜んでくれるし、眼帯はずしてじゃないとキスくれないし。








でも、見せたことない傷が

いっぱいあるの。





そんなの見たら登坂さん、わたしのこと嫌いになっちゃうかも。



それだけが、怖くて。









つい涙目になった私を見て、驚いた顔をする登坂さん。







広臣「ごめん、そんなに嫌ならしないから。…ごめん。」



A「ちが…っ、そうじゃなく…て…」







泣きそうなの、必死でこらえる。







広臣「………ん?言ってみ?」







優しく聞いてくれる登坂さんに、不安な気持ちがちょっとだけ和らいだ。









A「………わたしの傷、見ても…嫌いにならない?」









震える声でそう言うと、登坂さん


ふふって笑った。









広臣「あのさ。俺、Aちゃんが思ってるより、Aちゃんのこと好きなんだよ。そろそろ気付いて欲しいんですけど?」









私が思ってるより、私のこと…









A「……ほんとう?」






広臣「うん。ほんと。」









てか、そんなこと悩んでたの?って

何でもない顔して言ってくる。









A「そんなことじゃ、ないです…」



広臣「…大丈夫。嫌いになんてなれない。」









優しく微笑んだ登坂さん。


そっとキスをくれた。









広臣「………あーもう、我慢できねえ。」









いい?って問いかけるその言葉に

小さく頷く。









登坂さんなら、大丈夫。









その唇も、

体も、

指も、

綺麗な顔も、









今だけは全部、わたしのもの。

またひとつ→←いいコ



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サチ子(プロフ) - また読み返しに来てしまいました!!(T_T)ほんとに胸が苦しいです!! (2020年3月21日 23時) (レス) id: fb6b5ddadd (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - 胸がギューって!泣きました。゚(゚´ω`゚)゚。きなこさんの書かれる作品が全部大好きです!! (2019年6月11日 1時) (レス) id: 44dc35a9cd (このIDを非表示/違反報告)
てんてん(プロフ) - やーーーもう大好きいいいい (2018年9月11日 0時) (レス) id: 0b218eaa27 (このIDを非表示/違反報告)
うたは(プロフ) - みゆちゃんがママっていう瞬間が見たいです(;_;) (2018年7月16日 1時) (レス) id: 45f0dce7ca (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - 探し回って結局たどり着くのはここでした、☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ありがとうございます! (2018年7月15日 2時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2015年10月1日 22時

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