全部 ページ21
Aside
広臣「……あのさ、」
押し倒した、そのままの体制で口を開く登坂さん。
.
広臣「………俺のに、していい?」
Aちゃんのこと
そう付け足されたその言葉の意味を
理解したと同時に、顔が熱くなるの分かる。
もちろん、登坂さんのことは大好き。
キスだって嬉しい。
……でも、
広臣「……傷、見られんの嫌?」
優しくそう問いかける。
ちっちゃく頷くと、そっかって呟いて
広臣「けど俺、Aちゃんの全部が欲しい。……傷があるからどうとか、そんなの俺、思わねえし。」
確かに登坂さんは、私の傷も受け止めてくれてる。
目の痣だって、ちょっと良くなったら一緒に喜んでくれるし、眼帯はずしてじゃないとキスくれないし。
でも、見せたことない傷が
いっぱいあるの。
そんなの見たら登坂さん、わたしのこと嫌いになっちゃうかも。
それだけが、怖くて。
つい涙目になった私を見て、驚いた顔をする登坂さん。
広臣「ごめん、そんなに嫌ならしないから。…ごめん。」
A「ちが…っ、そうじゃなく…て…」
泣きそうなの、必死でこらえる。
広臣「………ん?言ってみ?」
優しく聞いてくれる登坂さんに、不安な気持ちがちょっとだけ和らいだ。
A「………わたしの傷、見ても…嫌いにならない?」
震える声でそう言うと、登坂さん
ふふって笑った。
広臣「あのさ。俺、Aちゃんが思ってるより、Aちゃんのこと好きなんだよ。そろそろ気付いて欲しいんですけど?」
私が思ってるより、私のこと…
A「……ほんとう?」
広臣「うん。ほんと。」
てか、そんなこと悩んでたの?って
何でもない顔して言ってくる。
A「そんなことじゃ、ないです…」
広臣「…大丈夫。嫌いになんてなれない。」
優しく微笑んだ登坂さん。
そっとキスをくれた。
広臣「………あーもう、我慢できねえ。」
いい?って問いかけるその言葉に
小さく頷く。
登坂さんなら、大丈夫。
その唇も、
体も、
指も、
綺麗な顔も、
今だけは全部、わたしのもの。
2062人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サチ子(プロフ) - また読み返しに来てしまいました!!(T_T)ほんとに胸が苦しいです!! (2020年3月21日 23時) (レス) id: fb6b5ddadd (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - 胸がギューって!泣きました。゚(゚´ω`゚)゚。きなこさんの書かれる作品が全部大好きです!! (2019年6月11日 1時) (レス) id: 44dc35a9cd (このIDを非表示/違反報告)
てんてん(プロフ) - やーーーもう大好きいいいい (2018年9月11日 0時) (レス) id: 0b218eaa27 (このIDを非表示/違反報告)
うたは(プロフ) - みゆちゃんがママっていう瞬間が見たいです(;_;) (2018年7月16日 1時) (レス) id: 45f0dce7ca (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - 探し回って結局たどり着くのはここでした、☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ありがとうございます! (2018年7月15日 2時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこ | 作成日時:2015年10月1日 22時