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いいコ ページ20

Aside






A「登坂さん、」





3回目。





A「登坂さん?」





4回目





A「…登坂さん!」



広臣「うわ、びびった…なに?」







5回目でようやく気づくなんて、ほんと変だ。






A「もう5回も呼んだんですよ。どうかしたんですか?」

広臣「え?まじ?…いや、ごめん。なんでもない。」







最近、こんなのばっかり。






広臣「で、どした?」

A「あの、亜嵐くんの家に荷物取りに帰ろうかなあって思うんですけど…」






亜嵐くんが病院に通うってことを聞いたあの日から、もう二週間近く経ったし。


そろそろ会っても平気かな、って勝手に思ってる。








広臣「は?ダメに決まってんじゃん。」

A「けど服とか靴とか…大事なのいっぱいあって」

広臣「そんなの俺が取りに行くわ。」

A「だめですっ。」

広臣「なんで?」

A「し、下着とか…あるし…」






そんなの気にしてらんねえだろ、って言う。


確かにそうだけど、やっぱり恥ずかしいもん。

可愛いのだけじゃないし
安くてダサいの、いっぱいある。





A「……けど…」

広臣「けどじゃない。心配すんだろ…」







そう言いながら、ソファーに座ったまま
優しく抱きしめてくれる。





……慣れないな、やっぱり。



何度抱きしめ合っても、キスをしても

ドキドキして、泣いちゃいそうになる。








広臣「……わかった?」


A「…はい、」


広臣「ん、いいコ。」








ほっぺに、ちゅってわざと音立ててキスする。




わたしが照れちゃうの分かっててするんだ。

いじわる。








広臣「……顔、赤すぎ。笑」


A「だって、」







5センチくらいの距離で見つめ合いながら、

幸せだなって実感する。





登坂さん、私の眼帯に手を伸ばして

そっとそれを外した。





キスするって、合図。









優しく唇が触れて、またゆっくりと離れて…



そんなことを何回か繰り返すうちに、
だんだん深くなってくる。









けど今日はいつもみたいに止めてくれなくて、


私のこと、

キスしたまま優しくソファーに押し倒す登坂さん。








A「……と、さか…さんっ、」







息継ぎの合間に名前呼んでみたら、


我に返ったようにその目を見開いて、キスをやめてくれた。









視界いっぱいに広がる

登坂さんの綺麗な顔と、その奥の天井。








……心臓が、破裂しちゃいそう。

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サチ子(プロフ) - また読み返しに来てしまいました!!(T_T)ほんとに胸が苦しいです!! (2020年3月21日 23時) (レス) id: fb6b5ddadd (このIDを非表示/違反報告)
ゆっけ(プロフ) - 胸がギューって!泣きました。゚(゚´ω`゚)゚。きなこさんの書かれる作品が全部大好きです!! (2019年6月11日 1時) (レス) id: 44dc35a9cd (このIDを非表示/違反報告)
てんてん(プロフ) - やーーーもう大好きいいいい (2018年9月11日 0時) (レス) id: 0b218eaa27 (このIDを非表示/違反報告)
うたは(プロフ) - みゆちゃんがママっていう瞬間が見たいです(;_;) (2018年7月16日 1時) (レス) id: 45f0dce7ca (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - 探し回って結局たどり着くのはここでした、☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ありがとうございます! (2018年7月15日 2時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2015年10月1日 22時

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