いつか ページ35
.
その日、2限が終わって、マユちゃんとふたりでカフェに向かってた
マユちゃん授業中ずっと
なんで昨日佐野先輩とふたりでいたの！って聞いてきて、特に意味ないって言ってるのに
絶対何かあったでしょって、やたらと鋭い
マユ「彼氏に黙って元彼と密会か〜」
A「ちょ、やめてやめて。密会じゃないし、そもそも元彼じゃない！」
マユ「ほとんど正解じゃん。」
A「違うもん。」
マユ「また好きになっちゃった？」
A「…なってないし。」
マユ「…白濱先輩には黙っとく。」
A「や、だから…昨日会ってたことは、うん…ちょっと黙っといてほしいけど、べつに好きになんて…」
マユ「はいはい。……あ、噂をすれば。」
そう言ったマユちゃんの視線の先
教室から出てくる、佐野先輩がいた
ドア開けて、でも、自分が出るより先に、後ろにいた女の子を優先させてる
その女の子、先輩を見て 何か言って
嬉しそうな顔しながら階段降りてった
…そんなことしたら
みんな好きになっちゃうよ
マユ「先輩、」
玲於「あ、マユちゃん。…と、A。」
マユちゃん、にやにやしながら先輩に声かけて
白濱先輩は？って聞いてる
玲於「亜嵐くんこの授業とってないよ。」
マユ「あ、そうなんですか？」
玲於「うん。カフェいく？」
マユ「行きます行きます。」
玲於「ん、行こ。ほら チビも。」
A「チビ…」
昨日の夜のこと
思い出したら、つらい
大阪と、北海道と、茨城と、先輩の部屋
…誘拐してほしいなんて
そんなの、全然思ってないけど
そのあと着いたカフェでは
白濱先輩の顔ばかり見てた
目が合うたびに、先輩は、ん？って聞いてくれて
ううんって首振ったら、キラキラ笑ってくれる
その度にわたしは、これが正解なんだって、思い込む
マユ「…ねえ、何回も言うけど、お人好しやめなよね。」
昼休みを終えた後の、授業中
マユちゃんがこっそりそう言った
A「…お人好し…」
マユ「A見てたら、無理してる感すごい伝わってくる。」
A「してないよ。」
マユ「…確かにAは、白濱先輩といた方が幸せになれると思うよ。でも、自然にそう思うのと、そうだって思い込んでるのとじゃ、全然違う。」
A「……。」
マユ「…いつか先輩にバレるよ、その気持ち。」
A「…先輩ってどっち？」
マユ「どっちも！」
その、いつか、が
一生訪れませんようにって
今はただ、願うことしかできなかった
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3776人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宇宙(プロフ) - きなこさんの作品全て素敵で何回も読み直しています！きなこさんのペースでお話の更新、待ってますね！！暇なときにでも近々今のきなこさんの気持ちや雑談などだけでも更新してくれたら嬉しいです(*´-`)！ (2018年10月4日 22時) (
レス) id: 4ccc9e8f19 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - きなこさんの書く隆二くんは私の大好きな隆二くんです(*´ω`*)きなこさんの書く隆二くん、臣、亜嵐くん、それから佐野先輩と夢主ちゃんが大好きです。 (2018年10月2日 0時) (レス) id: 49103f1761 (このIDを非表示/違反報告)
きょーか(プロフ) - 亜嵐くんメインのお話も読んで見たいです (2018年8月29日 2時) (レス) id: 9ffd19f65a (このIDを非表示/違反報告)
はちみつちゃん。 - ひとつしかお話がない、隆二くんのお話もまたみたいなあって思ってます (( 小声 )) 毎回毎回 長文でコメントしてしまってほんとにごめんなさい(＞＜)、、 (2018年8月16日 15時) (レス) id: ab56cd607c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつちゃん。 - れおくんのお話を書くのはきなこさんじゃなきゃやだってぐらい きなこさんの書くれおくんが好きです、(笑)多分他のメンバーもみんなです(笑) ただの登場人物って感じじゃなくて、その人そのものをみてる感じがして、本物感ってゆうんですかね？(笑) ん〜好きです、笑 (2018年8月16日 15時) (レス) id: ab56cd607c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きなこ
| 作成日時：2018年7月27日 22時
