ただいま、初恋4【佐野玲於】

ありえないこと ページ7

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そのあとも暫く
鼻がずっとすーすーいってたとか
たまにぴゅーっていうとか
恥ずかしいことばっかり
もう言わないでって言うのに、だっておもしろいじゃんって、得意げな顔して
…恥ずかしいよ、ほんとに


玲於「…あ、怒った？」

A「…怒った。」

玲於「ふは、ごめんって。」


笑いながら外に出た先輩
向こうから朝日が差してた
まだ6時
…すごい、大人になった気分


マユ「白濱先輩が奢ってくれた。」

A「えっ、だめだめ、先輩、」

亜嵐「いーよ、こんくらいね。」

A「だって、ずーっと奢ってもらってる。先輩破産しちゃうよ。」

亜嵐「あは、じゃあ破産した時助けてよ。笑」


ね、って
わたしの頭の上に手置いた
見上げたその綺麗な顔、優しく笑ってて
…申し訳ないなあ
先輩たちと出会ってから、奢ってもらってばっかり
これ、普通なの？
わかんない


亜嵐「…Aちゃん、お腹減った？」

A「え？」

亜嵐「朝ごはん、食べない？」


しゅんてしてたら、そう提案してくれた
うんって頷くと、じゃあ行こって、また笑顔
優しすぎる。白濱先輩
たまに忘れちゃいそうになるけど
わたし、このひとに告白されたんだよ
やっぱり意味わかんない
ていうか、その告白を受け入れない自分の方が、意味わかんない
だって、だって


玲於「こいつチビのくせによく食うから。そんな甘やかしてたら亜嵐くんほんとに破産するよ。」


このひと、こんなに意地悪なのに！


A「…もお、佐野先輩うるさい。」

玲於「事実ね、事実。なんであんな食うのに背伸びねえの？」

A「そんなに言うほどちっちゃくないですもん。」

玲於「いやちっちゃいよ。ね、マユちゃん。」

マユ「…ちっちゃいですけど、佐野先輩、人のこと言えないですよ。」


はあ！？って
また口喧嘩を始める
笑っちゃうよ、ほんと
佐野先輩って子どもみたい
佐野先輩と一緒にいたら、どんな些細なことでも笑えちゃうの

今までずっと、友達いなくて ひとりぼっちだったけど
大学入ってマユちゃんに出会って
そのおかげで先輩たちに会えて
そしていま、毎日がこんなにも楽しい

佐野先輩を好きになって、苦しいことばっかで泣くことも増えたけど
それ以上に、いろんなもの 貰ったから

幸せだな
この3人のおかげで、佐野先輩のおかげで
本当にいま、幸せ


顔を出したばかりの朝日が眩しかった
こんな穏やかな日がずっと続けばいいのにって
そんなありえないこと、本気で考えてた


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